みなさん、どんな時に、年を取ったかな~と思いますか?年を取るにつれて、段々とあきらめモードになってしまう人も多いのではないでしょうか?また、それとは反対に、年齢はただの数字!と前向きな人もいますよね。でもこれはあながち間違いではないのかもしれないのです!今回ご紹介するのは、ハーバード大学心理学博士エレン・ランガー教授による年齢と心の持ちようとの関係についての研究のお話。環境や意識次第で、身体も脳も若返るという素敵なお話です。ランガー教授の有名な「反時計回り実験」を中心にご紹介します。
「反時計回り実験」:老人が驚きの若返り!
1981年秋、ニューハンプシャー州のとある町で70代の年配の被験者8名は、まるでタイムスリップしたかのような22年前の内装に作り込まれた建物で5日間共同生活しました。そこは内装のみならず、白黒テレビで1959年当時流行っていたテレビ番組を流したり、当時の人気歌手の歌声が昔風のラジオから流れている、といった大がかりなセッティング。本棚の書籍や置いてある雑誌も全て1959年のものにするというこだわり様。
被験者には、実験の前にランガー教授から以下の指示がありました。
• 昔話をするのはOKだが、ただ漫然と懐古にふけるのではなく、22年前の自分になりきるよう心理的努力をすること。
• 当時の出来事や映画の批評、時事ネタなどについて全て「現在形で」語り合うこと。
• 現在の自分が映ってしまう「鏡」や現代風な衣類は一切NG。
• 22年前以前の自分や家族などの写真のみ飾る。現在の写真は持ち込まない。
この実験の結果、70代の被験者たちに次のような若返り効果が報告されています。
• 手先の器用さが向上
• 柔軟性向上
• 姿勢が良くなった
• 視力が向上
• 見た目が若くなった
その後、英国のテレビ局のBBCをはじめ、オランダや韓国のテレビでもこの実験が再現されており、同様の効果が見られました。ランガー教授曰く、「マインド(心)を若い頃にシフトしたことで、自ずと身体もそれについて行ったのです」。