通年耳にする言葉である「冷え症」。日本人の女性に1人が冷え症で悩んでいるというデータがありますが、意外にも冷え症は男性にも多く見られ、幅広い年齢層の人が悩んでいると言われています[1]。冷え症の経験者であればその辛さは身に染みていることでしょう。特にこれからは寒い季節。なんとか少しでも緩和させたいところです。今回は、なかなかその原因や対策が解明されていない冷え症にフォーカスしていきます。
冷え症ってなに?
四肢末端あるいは上腕部、大腿部などが常に冷えているような感覚を冷え症といいます。西洋医学では病態として定義されていないため、冷え症の概念自体が存在せず、あまり研究データがありませんが、東洋医学では重要視され治療すべき疾患とみなされています[2]。冷え症の自覚は、疫学調査で女性全体で約52%、40代前半までで30%未満ですが、更年期以降は40%以上、55歳以上で50%以上と年齢が上がるにつれて自覚症状を持つ人が増えていく傾向にあり[3]、男性でも全体の26.6%と決して低い数字ではありません[4]。