糖質制限やパレオダイエットなどさまざまな食事法を行う際でも、私たちの筋肉や臓器、皮膚や血液などの主要な材料となるタンパク質の摂取は私たちの生命活動には必要不可欠です。このタンパク質は体内に摂取された後に、さまざまタンパク質分解酵素によってアミノ酸に分解され、全身の細胞へと行き渡ります。このタンパク質分解酵素にはプロテアーゼやトリプシン、キモトリプシンなどさまざまな種類がありそれぞれ役割を担っていますが、セラペプターゼというタンパク質分解酵素が、分解や吸収以上に私たちの体に有益に働く可能性があるということが注目されています。今回はタンパク質分解酵素のセラペプターゼにフォーカスしていきます。
タンパク質分解酵素って何?
唾液から胃や膵臓に至るまで私たちが食事から摂取している糖や脂肪、タンパク質を血中に取り込める大きさまで細かく分解する働きを持つ消化酵素は細かく分類すると3000種類以上が体内に存在し、その大部分がタンパク質分解酵素であると言われています[1]。消化・吸収だけに留まらず細胞分裂、血液擬固、免疫機能、オートファジー(タンパク質のリサイクル)などのプロセスに重要な役割を持つこのタンパク質分解酵素は[2]、ペプシン、トリプシン、キモトリプシンなど体内で生成される物の他、特定の食品からも摂取することができます。肉とパイナップルを一緒に食べると消化が促進されると言われているのは、パイナップルに含まれているにブロメラインというタンパク質分解酵素が機能するため。下痢や便秘などの消化不良をはじめIBSなどの重度な疾患持ちの人は、適切なタンパク質分解酵素を食事時に供給することで改善される可能性があるとも言われています[3]。また、加齢に伴い減少する傾向にあるタンパク質分解酵素。正常に機能せず消化や吸収力が衰えることでタンパク質が豊富な肉などの食事を敬遠しがちに。筋肉量や骨の健康にも悪影響を与えかねないので、バランスの良い食生活を送るには消化酵素の補充をするのも1つの方法です。