慢性化すると心臓や腸疾患、癌などの大病につながりかねない炎症。腫れや疼痛、発熱などつらい症状を抑えるために、さまざまな医薬品が開発されていますが、日々の食事習慣を見直すことでより自然に炎症の予防と治療ができるならそれに越したことはありません。今回は炎症の鎮静に効果的な食べ物や栄養素のほか、アメリカで話題の抗炎症ダイエットをご案内いたします。
慢性炎症を緩和する食事・サプリメント
痛み止めとしてよく用いられるアスピリンやイブプロフェンといったNSAIDS(非ステロイド系抗炎症薬)など、炎症を抑える医薬品は多数あります。しかし、残念ながらNSAIDSは症状を抑えるだけで根本的に炎症を治療するものではなく、腸にダメージを与えたり心臓発作などのリスクを高めたりする恐れもあります[1][2][3]。副作用を気にせずに炎症の原因を取り除くには、日々の食事やサプリメントを利用したより自然な方法がおすすめです。
ウコンに多く含まれるクルクミンや生姜の根に多いジンゲロールなど、炎症抑制効果が高く安全性にも優れた栄養素を下記にご紹介します。
クルクミン
クルクミンは有効な抗炎症化合物で、ウコンの根のわずか2~6%にしか含まれていません[4]。炎症細胞と炎症性サイトカインを抑制することで炎症を抑えます。関節炎や手術後の炎症、過敏性腸症候群、癌などが原因の炎症への効果が検討されつつあり、研究が進められています [5][6]。。クルクミンを摂取するにはサプリメントの利用が便利ですが、商品を選ぶ際はウコンの根の粉末ではなく、クルクミンを選ぶことをおすすめします。
ジンゲロール
生姜も炎症を抑えて痛みを和らげる自然の鎮痛薬として有名です。生姜が健康に良い影響を与えるのは、抗酸化合物のジンゲロールを含んでいるからといわれています[7][8]。生姜はTNF-αなどの炎症性サイトカインを抑制し、癌や糖尿病、過敏性腸症候群、アルツハイマーなどを予防する可能性があるとして、研究が進められています[9][10][11][12][13][14]。