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グルテン、ヒスタミン、塩分、焦げ。絶対避けるべきタイプの醤油とは?
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グルテン、ヒスタミン、塩分、焦げ。絶対避けるべきタイプの醤油とは?

geefee ポイント geefee ポイント

・本醸造方式、混合醸造方式、大きく分けて2種類ある醤油の製造方法
・MSGをはじめ多くの食品添加物が含まれる混合醸造方式の醤油
・混合醸造方式の醤油に含まれる有害物質3-MCPD
・忘れてはいけない醤油のヒスタミンとあまり知られていない塩分の関係性
・ヒスタミンを高用量摂取する可能性のあるグルテンフリーの醤油

 

日本の伝統的な食文化の1つである醤油。和食を中心にお料理に欠かせない調味料です。食生活の変化に伴い最近では年間消費量もやや下降気味ですが、それでも年間1人当たり約1.7ℓを消費していると言われ、特に普段の食生活で和食を好む人は相当な量の醤油を使用していることになります。日本で生まれ育った私たちの食生活には、当たり前のように醤油が存在し、何の疑問もなく食していますが、意外と知られていないのが製造方法によって異なる健康への悪影響です。今回は、醤油の製造方法を軸に醤油がどのように私たちの健康に影響を与えるのかにフォーカスしていきます。

 

大きく分けて2種類ある醤油の製造方法。

日本で生産されている醤油の8割が本醸造方式と呼ばれています。これは、大豆や小麦などの原料を、酵母や麹菌、乳酸菌などの微生物によって発酵・熟成させる方式。製品のラベルで「本醸造」という文字を頻繁に見かけますよね。この本醸造式は、熟成するのに半年ほどかかるため、コストと手間の観点からは高級品。これと比較し、製造日数を抑えるために発酵も熟成も可能な限り回避する混合醸造方式という方法でも製造されています。この混合醸造方式の醤油の原料となるのが、大豆の植物性たん白質を塩素分解した旨み成分のアミノ酸液[#] “戦時中とアミノ酸液.” 2018. July 15, 2018. https://www.s-shoyu.com/knowledge/0616. 。アミノ酸液では、色も風味も十分ではないため、アミノ酸液に本醸造醤油を混ぜるわけですが、JAS法ではアミノ酸液を8割まで使用して良いと定義されているため、このアミノ酸液が大量に入った醤油も販売されています。ここで「旨み味成分」という言葉をどこかで見た覚えのある方もいらっしゃるのでは?そう、以前にも記事でお伝えした旨み成分MSG(グルタミン酸ナトリウム)です。

 

MSGをはじめ多くの食品添加物が含まれる混合醸造方式の醤油

アミノ酸液を主な原材料としている混合醸造方式の醤油ですが、このアミノ酸液には、MSGが約10%~30%含まれている可能性が報告されています[#]“Hydrolyzed Vegetable Protein: What It Is, Where It’s Found.” 2010. CBC. March 8, 2010. https://www.cbc.ca/news/science/hydrolyzed-vegetable-protein-what-it-is-.... 。MSGと言えば、以前の記事でもお伝えしたように、人体に悪影響を与える可能性のある要注意食品添加物の1つ。MSG不耐性の人はこのアミノ酸液にも注意を払う必要があります。また、混合醸造方式の醤油の原材料表を見てみると、

 

アミノ酸液、脱脂加工大豆、小麦、食塩、糖類(糖蜜、砂糖・ぶどう糖果糖液糖)、カラメル色素、調味料(アミノ酸等)、甘味料(甘草、ステビア、サッカリンNa)、保存料(パラオキシ安息香酸)

 

甘味料、保存料、着色料などとにかく食品添加物まみれ。個々の成分の有害性は割愛しますが、geefee読者であれば、摂取するべきではない成分が多く含まれていることはもうお分かりですよね。要は、醤油風味の加工食品であって、ドレッシングやとんかつソースなどど同じような類の食品なのです。

安価で販売されている醤油の購入を検討する場合は、必ず表示を見るようにしましょう。

 

 

混合醸造方式の醤油に含まれる有害物質3-MCPD

醤油の原材料である脱脂加工大豆や小麦のグルテンなどに含まれる酸加水分解植物性たんぱくを塩酸で加水分解すると3-MCPDという有害物質が生成されます。よって、大豆の植物性たん白質を塩素分解した旨み成分のアミノ酸液を使用した混合醸造方式の醤油には、この3-MCPDが含まれていることが報告されています[#]“[3-MCPD: A Worldwide Problem of Food Chemistry].” n.d. Accessed October 18, 2021. https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/10408398.2013.829414.  [#] “3-Chloropropane-1,2-diol (3-MCPD) in Soy Sauce: A Review on the Formation, Reduction, and Detection of This Potential Carcinogen ” n.d. Accessed October 18, 2021. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/1541-4337.12120. 。この3-MCPDは、腎臓や生殖器官の損傷をはじめ、IARC(国際がん研究機関)によってグループ2Bの発ガン性物質(人に対する発ガン性が疑われる)に位置づけされている毒性の高い有害物質。ヨーロッパでは、3-MCPDの含有量を醤油1kg当たり0.02mgまでと制限されていますが、世界中の商品を対象に実施された製品調査では、ヨーロッパの製品から最大1kg当たり124mg含まれている商品が販売されていたことが報告されています[#] “3-Chloropropane-1,2-diol (3-MCPD) in Soy Sauce: A Review on the Formation, Reduction, and Detection of This Potential Carcinogen ” n.d. Accessed October 18, 2021. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/1541-4337.12120.  [#]“[3-Monochloro-1,2-propandiol (3-MCPD) in soy sauce from the Bulgarian market].” n.d. Accessed October 18, 2021. https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/19393210.2013.777800.  [#]“[3-Monochloropropane-1,2-diol (3-MCPD) in soy sauces and similar products available from retail outlets in the UK].” n.d. Accessed October 18, 2021. https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/026520300750038072. 。なお、ほとんどの先進国で基準値が設けられているこの3-MCPDは、日本では特に制限が設けられていません。厚生労働省では、日本産の醤油の8割以上が本醸造方式であるため3-MCPDの含有量は極めて微量であり、また、残りのアミノ酸液を使用した2割の内9割の醤油に関してはクロロプロパノール類(3-MCPDと1,3-DC)の低減対策を講じているため3-MCPD濃度がとても低い、という立場を公表していますが、醤油消費量の多い日本で基準値が設けられていないことに疑問を抱かざるを得ません。

 


 

 

忘れてはいけない醤油のヒスタミンとあまり知られていない塩分の関係性

ここまで混合醸造方式の健康へのマイナス面をお伝えしてきましたが、忘れてはいけないのが以前の記事でも何度かお伝えした鼻炎や皮膚炎などの炎症やアレルギー症状をはじめ下痢、不安感、消化不良、慢性疲労などを引き起こす可能性のあるヒスタミン[関連記事:食べ物に含まれるカビ毒と生体アミンの基礎知識]。食品中に含まれるタンパク質の一種であるヒスチジンにヒスタミン産生菌の酵素が作用することで生成され、発酵食品に多く含まれる傾向があります。納豆やキムチなどのような発酵食品と同様に醤油からもこのヒスタミンをはじめとした生体アミンが多く検出されています[#] “Bioactive Amines in Soy Sauce: Validation of Method, Occurrence and Potential Health Effects.” 2012. Food Chemistry 133 (2): 323–28. 。ある研究結果の非常に興味深い点が、塩化ナトリウム(食塩)の量[#] “Bioactive Amines in Soy Sauce: Validation of Method, Occurrence and Potential Health Effects.” 2012. Food Chemistry 133 (2): 323–28. 。醤油の主原材料の一つである食塩ですが、食塩の量が低い醤油からより多くの生体アミンが検出されています。醤油と言えば、塩分過多になりがちな食品の1つ。ヒスタミンのような生体アミンが低い醤油を選ぶと食塩を多く摂取することになり、食塩の少ない醤油を選ぶとヒスタミンをより多く摂取することになり八方塞りです。そこで、総合的に考えて、実は醤油の摂取自体を少なくした方が良いのではないか?という選択も一理ありそうです。

また、混合醸造方式は発酵の工程がないため、ヒスタミンの量は少なそうですが、製造過程でどの程度の量の本醸造醤油を混合するか次第で、ヒスタミンも含まれることになります。
 

 

焦げた醤油は最悪。

食材の成分が高温で加熱されるとさまざまな有害物質が発生するのは、以前の記事でもお伝えした通りですが、それは醤油も同じ。本醸造方式及び混合醸造方式の醤油に共通して言えるのが高温加熱調理の際に生成される焦げによる健康への悪影響。これは醤油に含まれるアミノ酸と糖が120度以上で加熱されることによって起こるメイラード反応によるもの[#]Chan, Chris. 2014. “Curious Cook: The Maillard Reaction.” The Star. May 24, 2014. https://www.thestar.com.my/lifestyle/food/features/2014/05/25/curious-co....  [#]“食品中のアクリルアミドができる仕組み.” n.d. Accessed October 18, 2021. https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/a_syosai/about/sikum.... 。このメイラード反応によって生成される有害物質がアクリルアミド。焙煎されたコーヒー豆をはじめ加熱されたさまざまな加工食品に多かれ少なかれ含まれています。調理で醤油を使用したことがある人であれば分かると思いますが、醤油を加熱すると香ばしい匂いが漂い食欲をそそりますが、体には決して良い物質ではありませんので、醤油を加熱する際は十分に注意をする必要があります。

 

グルテンフリーの醤油を選ぶとヒスタミンを高用量摂取する可能性も。

醤油の基本的な原料は大豆と小麦と塩。よってグルテンが含まれていることがほとんどなので、グルテン不耐性の人は、基本的には醤油を避けるべきですが、小麦を使わないたまり醤油は、グルテンフリー食として知られています(稀に少量の小麦を使用するたまり醤油もあるので注意)。大豆を発酵、熟成して作られるので、上記で述べたヒスタミンは含まれてしまいますが、ある研究では、一般的な醤油のヒスタミン量の10倍ものヒスタミンがたまり醤油から検出されたということが報告されています[#] Chin, K. W., M. M. Garriga, and D. D. Metcalfe. 1989. “The Histamine Content of Oriental Foods.” Food and Chemical Toxicology: An International Journal Published for the British Industrial Biological Research Association 27 (5). https://doi.org/10.1016/0278-6915(89)90129-4. 。グルテンを避けることができたとしてもヒスタミンをより多く摂取することになりかねません。たまり醤油は、その独特な味の濃さからグルテン不耐性じゃない一部の人の間でも好まれて使用されていますので、あまりドボドボと使用しないように心掛けましょう。

 

まとめ~グルテン、ヒスタミン、塩分、焦げ。絶対避けるべきタイプの醤油とは?~
私たち日本人の食生活には欠かせない醤油。あまり深く意識もせずに使用している人がほとんどであると思いますが、健康へのマイナス面があるということ、それから製造方法によって一部異なる問題が生じることは覚えておく必要があります。添加物の観点から絶対に避けるべき醤油は混合醸造方式のもの。本醸造方式の場合、ヒスタミン、焦げ、塩分が気になる点なので、結局のところ、醤油を料理に使用する際は極力控えめにするのが得策であると言えます。特に既に慢性疾患を持っている人は一度食事から省いてみても良いかも。

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