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そういえば、ソーセージやベーコン、ハムのような加工肉がダメな理由って何?
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そういえば、ソーセージやベーコン、ハムのような加工肉がダメな理由って何?

geefee ポイント geefee ポイント

・加工肉の原材料に含まれるさまざまな添加物
・有害物質のニトロソアミンを生成する亜硝酸Naが含まれる加工肉
・高温加熱された加工肉に含まれるHCA(複素環式アミン)やPAH(多環芳香族炭化水素)などの化学物質
・加工肉と2型糖尿病や心臓病のリスクの関連性

 

geefeeでは、飽和脂肪酸が豊富に含まれた肉の摂取を勧めていますが、それはあくまでも良質な肉に限定されます。肉を摂取することによる健康効果は以前の記事でも何度かお伝えしていますが、ソーセージやハムのような加工肉は健康へ悪影響を与える要素があるため、あまり推奨はできない食材。今回は、改めてこの加工肉の健康リスクをお伝えしていきます。

 

加工肉の原材料に含まれる添加物を確認してみよう。

健康意識の高い人であれば、スーパーなどで購入する食品の原材料は常日頃から確認しているのでもう知っていると思いますが、ソーセージやハムの原材料表には多くの添加物が列記されています。

 

ソーセージ 

伊藤ハム グランドアルトバイエルン
原材料:豚肉、豚脂肪、糖類(水あめ、砂糖)、食塩、香辛料、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、酸化防止剤(ビタミンC)、pH調整剤、発色剤(亜硝酸Na)

 

ハム

日本ハム 新鮮生活おいしさの白ロース
原材料:豚ロース肉(輸入)、還元水あめ、卵たん白、大豆たん白、加工酢、食塩、ポークエキス、豚コラーゲン、乳たん白/リン酸塩(Na)、カゼインNa、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)、香辛料、コチニール色素、(一部に卵・乳成分・大豆・豚肉を含む)

 

肉製品なのに、甘味料として使用される糖アルコールの一種である還元水あめなどが添加されているのは少々驚きですが、赤色の着色料のコチニール色素、粘度を高める増粘多糖類、化学調味料などの食品添加物が含まれています。

 

 

しかし、最も懸念すべき物質は発色剤として使用されている亜硝酸Na(亜硝酸ナトリウム)でしょう。

 

有害物質のニトロソアミンを生成する亜硝酸Naが含まれる加工肉

亜硝酸Naは、主に食品の発色剤や防腐剤として使用されています。ソーセージが赤色をしているのはこのため。この亜硝酸Naは、葉野菜や根菜類などの野菜にも含まれ、野菜の硝酸根が体内で亜硝酸Naに変化し血管の老化を防ぐ一酸化窒素の働きをサポートするためには必要な物質であることは以前の記事でもお伝えしました。しかし、加工肉に含まれる亜硝酸Naはその逆で健康リスクが伴うのです。その理由は加熱処理。高温度で熱処理された亜硝酸Naと肉中のタンパク質が結合し、タバコの煙にも含まれている結腸直腸ガン[#]Santarelli, Raphaëlle L., Fabrice Pierre, and Denis E. Corpet. 2008. “Processed Meat and Colorectal Cancer: A Review of Epidemiologic and Experimental Evidence.” Nutrition and Cancer 60 (2): 131. や乳ガンのリスク[#]“Processed Meat May Increase Breast Cancer Risk.” n.d. Accessed May 19, 2021. https://www.gla.ac.uk/news/archiveofnews/2018/january/headline_566407_en.... を伴った有害物質のニトロソアミンが生成される可能性が懸念されています[#]“The Use and Control of Nitrate and Nitrite for the Processing of Meat Products.” 2008. Meat Science 78 (1-2): 68–76.  [#] “[Volatile N-nitrosamines in processed meat products and salami from Turkey].” n.d. Accessed May 19, 2021. https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/19393210.2021.1885502?journa.... 。このニトロソアミンが亜硝酸塩とアミン類の反応によって体内でも生成されることはよく知られていますが、実際には、加工肉の生産過程及び加熱調理でも生成され[#]“Nitrosamine Formation in Processed Hams as Related to Reformulated Elastic Rubber Netting” n.d. Accessed May 19, 2021. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1365-2621.1998.tb15725.x. 、亜硝酸Naの使用を禁止すべきだという専門家も多くいます[#]“Website.” n.d. Accessed May 19, 2021. https://www.bbc.com/future/article/20190311-what-are-nitrate%E4%BA%9C%E7.... 。ソーセージ、ベーコン、サラミ、コーンビーフ、ビーフジャーキーなどにおいて、高温調理の過程でニトロソアミンだけでなくその他の有害物質も生成してしまうことになるので、一般に市販されている加工肉はできるだけ控えるべきなのです。

【関連記事】「健康的な食材を使っても料理の仕方次第では逆効果。高温調理を避けるべき理由。

 


 

 

意外と知られていない食品添加物のリン酸塩(Na)の健康リスク

菓子パンやカップ麺をはじめ清涼飲料水などの多くの加工食品に含まれている食品添加物のリン酸塩(Na)は、タンパク質と水の結着剤として加工肉に含まれていることもあります。ハムなどの加工肉が柔らかく保つことができるのはこのため。しかし、通常食事から天然のリンを十分に摂取できているため、加工食品及び加工肉からリン酸塩(Na)を摂取するとリンの摂取過多になる可能性が専門家によって指摘されています。リンを過剰摂取すると、腎臓機能の低下、心血管疾患、骨粗鬆症、動脈硬化などのリスクが指摘されています[#]Brissette, Christy. 2017. “Why Phosphate Additives Will Be the next Taboo Ingredient.” The Washington Post, March 29, 2017. https://www.washingtonpost.com/lifestyle/wellness/why-phosphate-additive.... 。日本でも、セブンイレブンやファミリーマートなどの企業が「リン酸塩未添加」の取り組みを行っており、リン酸塩(Na)の摂取にはリスクがあるという事が認識されつつあります。加工肉をはじめ加工食品全般に含まれるリン酸塩(Na)の摂取はできるだけ控えるように心掛けましょう。

 

高温加熱された加工肉にはHCA(複素環式アミン)やPAH(多環芳香族炭化水素)などの化学物質も。

肉を高温加熱調理することで生成される有毒な化学物質については、先日の記事でもお伝えしましたが、加工肉にも発ガン性物質のHCAやPAHが含まれているというデータが報告されています[#]Sinha, R., M. G. Knize, C. P. Salmon, E. D. Brown, D. Rhodes, J. S. Felton, O. A. Levander, and N. Rothman. 1998. “Heterocyclic Amine Content of Pork Products Cooked by Different Methods and to Varying Degrees of Doneness.” Food and Chemical Toxicology: An International Journal Published for the British Industrial Biological Research Association 36 (4). https://doi.org/10.1016/s0278-6915(97)00159-2.  [#] Chen, Y., G. Shen, S. Su, H. Shen, Y. Huang, T. Li, W. Li, et al. 2014. “Contamination and Distribution of Parent, Nitrated, and Oxygenated Polycyclic Aromatic Hydrocarbons in Smoked Meat.” Environmental Science and Pollution Research International 21 (19). https://doi.org/10.1007/s11356-014-3129-8. 。燻製処理されたベーコンをカリカリに焼いたりすることで、更に有毒な物質を体に取り入れるリスクが上がるということは覚えておきましょう。

 

加工肉は塩分が高め。

人それぞれの身体活動のレベルによって必要な塩の量は異なりますが、さまざまなメディアで推奨されている減塩ではなく適塩を意識するべきということは以前の記事でもお伝えした通り。肉にはそもそも天然の塩分が含まれている上に、保存や味付けの目的でそれなりの量の塩が添加されています。塩の主成分であるナトリウムを比べてみると

 

豚バラ 100g中 50mg
ソーセージ 100g中 800mg

 

と加工肉には大量の塩分が含まれます。1日5~6g(小さじ一杯程度)の適塩を超えて塩分過多になる恐れがあります。最初から塩分が入っていて、生肉の調理と違って調理の過程で使用する塩分を調節できないことが塩分摂取量の管理を難しくするのです。

 


 

 

2型糖尿病や心臓病のリスクも。

26〜46歳の米国女性91246人を対象とした8年間に及ぶコホート研究では、週に1回未満加工肉を食べる女性と比較して、週に5回以上加工肉を食べる女性の方が2型糖尿病のリスクが上がるということが分かっています。また、心臓病のリスクが上がるという研究結果もありますが、上記で述べた高濃度の塩分及び亜硝酸Naなどの防腐剤が関連している可能性が専門家によって指摘されています[#]“Eating Processed Meats, but Not Unprocessed Red Meats, May Raise Risk of Heart Disease and Diabetes.” 2010. May 17, 2010. https://www.hsph.harvard.edu/news/press-releases/processed-meats-unproce....

 

加工魚の原材料のチェックも忘れずに!

スーパーなどの鮮魚コーナーで販売されている加工魚は、亜硝酸Naこそ含まれていませんが、植物油脂、酸化防止剤、pH調整剤、還元水飴、砂糖、調味料などの添加物などが新鮮な無添加の刺身に紛れて含まれています。魚はすべて無添加で新鮮だと思ったら大間違い。無添加で切り落としただけの生魚も販売されているので原材料表はこまめにチャックしましょう。ツナ缶や鯖缶なども同様に添加物が含まれていますが、容器から溶出したビスフェノールAがツナ缶からも検出されているので注意が必要です[#]“Unwanted Chemicals in Canned Tuna.” 2016. November 23, 2016. https://www.foodpackagingforum.org/news/unwanted-chemicals-in-canned-tuna.

 

まとめ~そういえば、ソーセージやベーコン、ハムのような加工肉がダメな理由って何? ~

スーパーなどでついつい手を出してしまいがちな加工肉や加工魚には多くの添加物が含まれ、健康リスクが上がる可能性があります。塩分の摂取過多も懸念されます。できるだけ加工肉は避けるべき、というのがgeefeeからの推奨です。無添加の製品も手に入らないわけではありませんが、高価であるなどなかなか難しいというのが現実でしょう。わざわざ加工された肉や魚を選ばずに、良質な無添加の食材を適量な調味料で調理することが大切です。

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