インターネットが普及し、真偽が不明のままさまざまな情報が交錯する中、日本では、大企業による自社健康製品の大々的な宣伝キャンペーン昔からなぜか日本だけで信じられている健康に関する迷信などを理由とする誤った情報が欧米よりも多く信じられている傾向があるように感じます。これらの誤った情報を「ガラパゴス健康情報」とgeefeeでは呼んでおり、最新の科学や世界標準の知識をもとにガラパゴス健康情報に対抗していくのが我々の重要な使命と考えています。
今回は、「一般社団法人農民連食品分析センター」のウェブサイトをご紹介します。
中立な立場で科学的に検証
「農業者や消費者の募金により設立された背景を持つ世界的にも珍しい分析施設」であるこの農民連食品分析センターは、特定の企業の影響下ではない立ち位置で、輸入品や国産農産物の品質チェックを行っています。特に、消費者が頻繁に食べる品目の添加物や残留農薬などを分析。データも一般公開をし、安全性・危険性を訴えています。今回はその中から特に面白いと思った分析調査結果をいくつかピックアップしました。
大豆製品に含まれる遺伝子組換え大豆の検出調査
1996年に遺伝子組み換え作物は認可され、2002年には表示義務制度が導入。それ以降、表示さえ確認すれば遺伝子組み換えでない作物の製品を消費者が選ぶことができるようになりましたが、スーパーで売っている納豆や豆腐の多くが遺伝子組み換え不使用表示をされているのを見て、果たしてこうした表示は信用できるのだろうか?という疑問を持っている人も多いかと思います。
「一般社団法人農民連食品分析センター」では、この大豆の遺伝子組み換え検出調査も行っています。
検査公開日は2016年11月。
検査対象は、「遺伝子組み換え不使用」と表示された、大豆や納豆などの大豆食品。
結果は、31製品のうち15製品から組み換え遺伝子が検出されていますが、基準以下の数値。どういった経緯で混入したかは不明のようですが、国産の大豆は安心のようです。
また、日本の自給率がゼロのトウモロコシや非常に低い大豆は輸入に頼っているわけですが、アメリカからの輸入品が食卓に出回る割合が、トウモロコシで73.6%、大豆で84.3%(2013年)と非常に高いということも指摘しています。
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市販の冷凍枝豆・生鮮枝豆および居酒屋・ファミレス・コンビニ・スーパーの枝豆調理品残留農薬分析結果
検査年は、2002年。
少し古い調査結果ですが、冷凍された野菜、特に輸入品の野菜は残留農薬が気になるところ。居酒屋やレストラン等の枝豆は冷凍品を使用しているところも多く、またコンビニやスーパーでも購入可能です。
結果は、微量の検出がほとんどですが、中国産はやや高め。また、他の野菜で採用されている基準値だと超えている結果の枝豆商品もありました。これは、作物によって定められている基準値が変わるわけですが、例えば、ほうれん草の基準値が0.01ppmでも枝豆は0.1ppmとなります。結果的に摂取する量は同じのような気がしますが、、、極力残留農薬は摂取したくないのが消費者の本音ですよね。
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食パンのグリホサート残留調査
検査公開日は2019年4月。
geefeeでも注意を呼び掛けている除草剤のグリホサート。以前記事でも特集をしました。農民連食品分析センターでも、このグリホサートの残留農薬調査を頻繁に行っています。上記の検査では、小麦を使用した食品の検査をしています。
結果は、15製品中、11製品から検出。小麦の基準値は、30ppmと高めですのですべて基準値以下となります。でも、例えば玄米の場合の基準値は0.01ppmですが、この基準を超えている製品が10製品もありました。コンビニやスーパーなどで手軽に購入できるパンですが、パンにも残留農薬か、、、、と少し落胆してしまいます。
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その他、市販鶏卵の残留農薬調査やベビーフードの残留農薬分析結果など、身近な食品の検査を行っています。基準値を超える超えないということも一つのポイントかもしれませんが、政府が決めた基準値以下ならよい、というナイーブな考え方ではなく、体に悪いものは可能な限り減らしたいというのが健康を重視する消費者の気持ちであり、消費者には知る権利があります。また、こういった民間の団体が公平性を持って検査を行うことで、行政だけでは追いつかない品質基準のチェックを補完することができます。定期的に様々な検査結果を公表していますので、みなさんも是非チェックしてみてくださいね!
一般社団法人農民連食品分析センターウェブサイト
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