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青汁なんて本当は飲まないほうがよい?
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青汁なんて本当は飲まないほうがよい?

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・種類によっては糖質が多めの野菜ジュースである青汁
・青汁に含まれる残留農薬と反栄養素のシュウ酸
・豊富なビタミンKの過多摂取に注意

 

日本特有の健康食品として長い間親しまれている青汁。鼻を摘まんで飲みたくなるほど苦くておいしくないけど、ビタミン類、食物繊維やミネラルなどの栄養価がスーパーフード、といったイメージですよね。今でもCMやネットの宣伝でよく見かけますが、実はこれ海外ではあまり見られない商品で、起源を調べると、戦時中の日本でケールを使って食糧難の国民の栄養補給に一役買ったというのが始まりなのだそうです。最近の青汁はかなり飲みやすいものも販売されていたりしますが、日本の健康食品業界のガラパゴス現象製品の一つと言えます。さて、果たして青汁は一般に思われているほど健康的なのでしょうか?

 

メーカーによって青汁の原材料は様々だけど、ほとんどが糖質多めの野菜ジュース?

元祖青汁の原材料と言えばケール。でも、最近では飲みやすさを考慮して、大麦若葉や小松菜、明日葉といった緑黄色野菜や野菜、フルーツ果汁などが加えられた商品も粉末状で多数販売されています。従来のケールを原料とした青汁以外でも青汁と称して販売されているのがほとんどですが、原材料次第でその栄養価は大きく変わってきます。

 

 

また、野菜やフルーツ以外に甘味料や食品添加物が入っているケースも目立ちます。

 

例1)原材料名
大麦若葉末(国内製造)、マルチトール、フラクトオリゴ糖、ガラクトマンナン(食物繊維)、明日葉末、抹茶、煎茶/酵素処理ルチン

例2)原材料名
デキストリン、大麦若葉、ケール末、抹茶末、ゴーヤ末、 水溶性食物繊維、イソマルトオリゴ糖、プラセンタエキス末(シクロデキストリン、環状オリゴ糖)、 乳酸球菌、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸Na、シスチン、グルタミン、グルタミン酸Na、 ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン塩酸塩、メチオニン、フェルニアラニン、ブロリン、 セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、グリシン、オルニチン塩酸塩、シトルリン、バリン

例3) 有機大麦若葉エキス粉末(有機大麦若葉、有機デキストリン)、有機アカシア食物繊維、有機デキストリン、有機アガベイヌリン、海藻カルシウム、羅漢果エキス粉末、キヌア発芽粉末、パパイヤエキス粉末、アップル果汁粉末、レモン果汁粉末、ピーチ果汁粉末、オレンジ果汁粉末/香料

 

ランダムに商品をチェックしただけでも、ケール以外に多くの原材料が含まれています。健康飲料水というよりはどちらかというと野菜・フルーツ果汁・各種サプリ添加ジュース、といった感じですね。

特にフルーツが多く入っているジュースは、以前の記事でもお伝えしましたが[関連記事:食べ方次第で健康にマイナスにもなる?健康的なフルーツの食べ方]、糖分が多め。果物を食べるのとは違い、繊維質がない分血糖値の上昇スピードも早く体への負担に。100%フルーツジュースをたくさん飲んでいる人は、発ガンリスクが上がるというデータもあるくらい[#]“Possible Link between Sugary Drinks and Cancer.” n.d. ScienceDaily. Accessed December 2, 2019. https://www.sciencedaily.com/releases/2019/07/190710193917.htm. 。青汁だから体に良いと思って飲んでいても、結果的に糖分たっぷりの加工品のフルーツジュースや野菜ジュースを飲んでいる、なんてことになっているかもしれません。

 

青汁は残留農薬と反栄養素に注意。

中にはケール100%の青汁も販売されています。しかし、アメリカの環境ワーキンググループのEWGが毎年発表している残留農薬のワーストランキング「Dirty Dozen 2020」によると、ケールはほうれん草に次いでワースト3(このほうれん草も青汁の原材料に含まれていることもあります)。つまり、畑で農薬にさらされている大きな葉っぱをそのまま使うため、どうしても残留農薬が多くなるのです。このことから、ケールが原材料の青汁は、有機栽培の物でない場合は、残留農薬の観点からみるとリスクがありそうです。

 

 

次に注意すべきは反栄養素。ほうれん草などの緑黄色野菜には、反栄養素のシュウ酸という化合物が大変多く含まれているものがあります[関連記事:意外な食べ物にも含まれている?避けるべき4つの反栄養素]。シュウ酸を多く摂取してしまうと、カルシウムと結合しきれなかったシュウ酸が腎臓へと移動し、尿の中でカルシウムと結合してしまい「結石」となります。この「結石」が尿路で詰まると尿路結石になり激痛を伴い、詰まらなくても尿路を狭めてしまい、残尿感などに悩まされるようになります[#]Kelsay, J. L., and E. S. Prather. 1983. “Mineral Balances of Human Subjects Consuming Spinach in a Low-Fiber Diet and in a Diet Containing Fruits and Vegetables.” The American Journal of Clinical Nutrition 38 (1). https://doi.org/10.1093/ajcn/38.1.12. 。また、体の炎症、ミトコンドリアの機能障害などさまざまな健康リスクの可能性があるので避けたい化合物の1つです[#]“The Damaging Effects of Oxalates on the Human Body.” n.d. Urology of Virginia - Innovators in Comprehensive Urological Care. Accessed July 8, 2020. https://www.urologyofva.net/articles/category/healthy-living/3740469. 。ケールは比較的シュウ酸の量は少ないのですが、非加熱の植物性食品しか食べないロー・ビーガン食の人などは連日大量の生のケールを摂取することがあるので、やはり気を付けるできでしょう。

 

 

青汁は服用している医薬品の有効性を妨げる可能性も。

栄養価が高い青汁ですが、特にビタミンKが豊富に含まれているケールと大麦若葉と明日葉は、過剰摂取すると血液凝固防止剤であるワーファリンと相互作用が起きる可能性があります[#]“[相互作用について].” n.d. Accessed July 8, 2020. https://www.jspm.ne.jp/guidelines/cam/2016/pdf/05_01.pdf 。特にケールは、カリウムの摂取量が多め。血圧を下げる薬との相互作用も注意しましょう[#]“Beverages You Need to Be Careful with Drug Interaction (2).” n.d. DEJIMA PHARMACY JAPAN. Accessed July 8, 2020. https://dejima-pharmacy-japan.com/blogs/news/beverages-you-need-to-be-ca....

 

まとめ~青汁なんて本当は飲まないほうがよい?~
青汁という言葉自体が一人歩きし、健康的なイメージですが、何も考えずに飲み続けている人はちょっと一旦ストップして、そもそも原材料に何が含まれているかを確認してみるのも良いでしょう。また、栄養価の側面でみたら、他の食品や安価に手に入るサプリでも十分に代用可能。特にその効能を大げさに宣伝し、不当に価格の高い製品を買わされている消費者も多いのが現実です。また、残留農薬や反栄養素といったできれば避けたい物質が含まれている可能性があることも忘れずに。
 

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