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腸の損傷を引き起こすGMO(遺伝子組み換え)と農薬の関連性
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腸の損傷を引き起こすGMO(遺伝子組み換え)と農薬の関連性

geefee ポイント geefee ポイント

・輸入GMO作物のシェア率が高い日本
・GMOの健康リスクは除草剤ラウンドアップに起因
・GMOが含まれる食品とは?

 

食品の原材料表をチェックすると頻繁に見かけるのが「遺伝子組み換えでないもの」という表示。これは、みなさんもご存知、GMO(遺伝子組み換え作物)を含んでいないという意味ですが、なぜこのような表示がされているのでしょうか?それは、GMO食品には何かしらの形で健康上のリスクが懸念があるからと言えます。今回は、世界の遺伝子組み換え農作物の栽培量も年々上昇している中で[#]農林水産省 世界の遺伝子組換え農作物栽培状況(平成30年) 、その主な健康リスクである腸の損傷にフォーカスしていきます。

 

GMOが含まれている農作物とそのシェア率は?

世界の遺伝子組み換え農作物のデータをみると、遺伝子組み換え農作物のうち、大豆が50%を占め、30%がトウモロコシ、残りがワタや西洋ナタネで[#]農林水産省 世界の遺伝子組換え農作物栽培状況(平成30年) 、その中でも我々日本人がもっとも消費し懸念すべき農作物が大豆とトウモロコシでしょう。

特に、大豆は、国内の自給率が37%[#]農林水産省 日本の食料自給率 、輸入大豆の70%以上をアメリカから輸入しているのが実態です[#]農林水産省 日本の大豆の年次別国別輸入状況 。そのアメリカの大豆の90%がGM種子で栽培されているというデータが米国農務省(USDA)によって発表されているので、日本におけるGMO大豆の食品のシェアは、必然的に高いであろうことが想像できます。ただ、日本国内では、商業目的の遺伝子組み換え作物の栽培は禁止されているので、日本にあるGMOは、すべて輸入品となります。

 

除草剤ラウンドアップと残留農薬の問題

geefeeの記事でも以前お伝えした、世界で一番使用されている除草剤のラウンドアップ。さまざまな深刻な健康リスクが危惧されていますが、このラウンドアップの主成分であるグリホサート耐性植物として開発されたGMOが存在します。このラウンドアップを畑中に散布しても、これらのGMO植物に害を与える事なく雑草や害虫を駆除できるという合理的な理由で、農家の間で爆発的に普及が進み、アメリカでは1974年から2014年にかけてラウンドアップの使用率が300倍にも増加しました[#]Benbrook CM (2016). Trends in glyphosate herbicide use in the United States and globally. Environ Sci Eur 28(1):3. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5044953/

また、2013年に行われた検査では、遺伝子組み換えの大豆からはグリホサート及びグリホサートの毒性植物代謝物であるAMPAが検出されましたが、有機大豆からは検出されなかったという結果が出ています[#]Bøhn T, Cuhra M, Traavik T, Sanden M, Fagan J, Primicerio R. Compositional differences in soybeans on the market: glyphosate accumulates in Roundup Ready GM soybeans. Food Chem. 2013:153(2014):207–215. 。このような背景により、グリホサートに関連した毒性や健康リスクがGMO作物に波及している傾向があると言えそうです。

 

 

腸の損傷を引き起こすGMO

あるラットの研究では、GMOによる肝臓や腎臓を含む臓器障害や生殖能力への悪影響などが報告されています[#]National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine, Division on Earth and Life Studies, Board on Agriculture and Natural Resources, and Committee on Genetically Engineered Crops: Past Experience and Future Prospects. 2016. “Human Health Effects of Genetically Engineered Crops.” In Genetically Engineered Crops: Experiences and Prospects. National Academies Press (US). 。上で述べたグリホサートが、腸内細菌糞のバランスを乱し、有害な細菌株の成長を促進することが分かっています[#]pubmeddev, and Et al Shehata AA. n.d. “The Effect of Glyphosate on Potential Pathogens and Beneficial Members of Poultry Microbiota in Vitro. - PubMed - NCBI.” Accessed January 27, 2020. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23224412. 。また、GMO食品の摂取後に、消化酵素が減少し消化不良を起こす可能性もあります[#]T. Senapati, A. K. Mukerjee and A. R. Ghosh. "Observations on the effect of glyphosate based herbicide on ultra structure (SEM) and enzymatic activity in different regions of alimentary canal and gill of Channa punctatus (Bloch)." Journal of Crop and Weed. 5(1): 236-245 (2009).

 

アレルギー反応を引き起こす可能性も

GMOのアレルギー反応を引き起こす可能性がWHO(世界保健機構)により指摘されていますが、1990年代の研究では、ブラジリアンナッツのたんぱく質を含むように設計されたGMO大豆を摂取したブラジリアンナッツのアレルギーを持った被験者にアレルギー反応が引き起こされました[#]Julie A. Nordlee, M.S., Steve L. Taylor, Ph.D., Jeffrey A. Townsend, B.S., Laurie A. Thomas, B.S., and Robert K. Bush, M.D. Identification of a Brazil-Nut Allergen in Transgenic Soybeans 。この商品は、結果的に販売されませんでしたが、遺伝子工学的に特定のタンパク質における植物から植物への遺伝子の組み換え方次第では、こうしたアレルギーの問題を引き起こす可能性が示唆されています。

 

 

どんな食品に含まれている?

現在、農林水産省が提示している表記義務のある食品は、大豆、とうもろこし、ばれいしょ、なたね、綿実、アルファルファの6点。その他、上記の食品を含む加工食品が31点ですが、食用油、甘味料、醤油などの加工品は、加工によってDNA及びタンパク質が残存しないという条件で表示義務がない上に、原材料のうち5%以下の使用の場合も日本では表示義務がありません。当然、家畜や養殖魚の餌の表示義務もありませんので、GMOをどのような形で消費者が口にしてしまっているかは正確には分かりません。

 

GMOが含まれている可能性の高い一般的な食品

  • 大豆及び加工品
  • トウモロコシ及び加工品
  • キャノーラ油
  • 乳製品
  • テンサイ
  • アスパルテーム

 

 

また、海外では、遺伝子組み換えのリンゴやサーモンやお米、ステビアまで、世界中でGMO食品が蔓延していて、これから、GMO食品の普及もどんどん増えていくと思われます。

 

「有機JASマーク」が表示された食品は、既定としてGMOを使用せずに生産されたものが対象となりますので、GMO食品を避ける方法として、有機食品を選択するのも一つの方法。また、大豆やトウモロコシなどGMOの可能性のある食材についてはそれが国産であることを確認するのがよいでしょう。また、GMOのほとんどは、大規模な農家や生産者によって生産されていますので、小規模な農家が生産する野菜をなるべく購入するなどの工夫も一案です。

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