男性は肉をモリモリ食べて女性はサラダで夕飯を済ます。こんな光景を結構目にしますよね。ダイエットや健康に気を使って肉を食事から極力排除している女性って結構多いのではないでしょうか?ガッツリ肉を食べることが女性らしくないと言った印象もあるかもしれませんが、実際には、肉が女性の健康にもたらす恩恵はさまざまで、むしろ肉はしっかりと食べるべきであることがさまざまな科学的根拠に基づいて報告されています。今回は、女性が肉を食べることあるいは食べないことで健康にどんなインパクトを与えるのかにフォーカスしていきます。
女性に必要な十分な量の鉄分
世界屈指の貧血大国と言われている日本。特にこの貧血は女性に生じる傾向にありますが、その理由の1つが鉄不足。月経を伴う女性の1日の鉄の推奨摂取量が約11mgに対して、実際の平均摂取量は6.6mg~7.8mgと低め。閉経前の女性のほとんどが鉄分不足になっている可能性があります。鉄分が不足すると、貧血をはじめ、手足の冷え、頭痛とめまい、疲れや息切れの原因となるため、しっかりと摂る必要がありますが、肉を積極的に食べるべき理由は2種類ある鉄の吸収率の違いと関係します。私たちは肉類から動物性ヘム鉄とほうれん草などの野菜から植物性非ヘム鉄の2種類の鉄分を摂取していますが、へム鉄の吸収率は15%~35%で、非ヘム鉄の2%~20%。動物性ヘム鉄の方が吸収率が断然高いので、野菜から鉄分を摂取していると思っていても十分じゃない可能性があるのです。また、比較的鉄分含有量が高めのヒジキからも豊富な鉄分が摂取できますが、有毒な物質のヒ素の含有量が高めであるため、モリモリ食べるのは得策ではありません(LINK)。十分な量のお肉を食べていれば鉄分不足で困ることはあまり無さそうなのです。[牛肉100グラムに鉄分が何mg入っているかを記載してください]閉経後の女性(ここでは70歳を超えた女性の場合のデータを使用)の鉄の一日の推奨摂取量が5.6mg~6mgに対して実際の平均摂取量が8.5mgと十分に摂取できている傾向にあるため、特に肉を積極的に食べるべき年齢層は閉経前の女性なのです。