「玄米は白米よりも健康に良い」というのは、長年、日本では常識とされてきました。しかし、近年、「玄米には健康に害を及ぼす反栄養素も入っている」と、玄米食に警笛を鳴らす意見が欧米を中心に増えてきています。お米を主食とする日本人にとって、玄米と白米のどちらが健康に良いのかは重大問題。世界で盛んに論議されているこの問題に自分なりの結論を見つけるためにも、双方のメリットとデメリットをじっくりと見比べてみましょう。
栄養素量では圧勝!玄米が身体に良いといわれる理由
そもそも、なぜ玄米は健康に良いと考えられているのでしょうか? 玄米は繊維状のふすま部分も、栄養たっぷりの胚芽もすべて含んだホールグレイン。一方、白米は栄養価の高いふすまや胚芽を除去し、胚乳の部分だけを残した精米です。お米本来のポテンシャルをすべて持つ玄米と比べると、食物繊維、ビタミン、ミネラルのどれをとっても白米は玄米に歯が立ちません。
主な成分を比較した下の表でも一目瞭然ですが、数値上の栄養成分では玄米が白米に圧勝。食物繊維はセロリの2倍、マグネシウムはおかひじきの2倍以上など、玄米は他の食品と比較しても栄養価が優れているといえます[1]。
また、体内の有害な活性酸素を除去する抗酸化物質の含有量も白米より玄米の方が高く、低い方が好ましいといわれるGI値(血糖値の上がるスピードを測る値)は白米89なのに対して玄米は50[2]。健康面はもちろんのこと、アンチエイジングやダイエットなどの美容面でも注目が集まる玄米は、栄養成分だけを見ると優秀な食品です。