みなさんが思っている以上にお口の中は細菌がいっぱい。口腔内のケアはどのように行っていますか?
口腔の炎症と認知機能障害との関連性[1]、歯周病が脳卒中のリスクを増加させる可能性[2]等、ウィルスや細菌が蔓延している口の中を清潔に保つことは、口腔内だけでなく身体全体の健康維持とも密接な関係があります。しかし、ブラッシングや市販のマウスウォッシュ等で簡単に済ませてしまっている人も多いのでは?
「生命の科学」ともいわれるインド・スリランカ伝統医学アーユルヴェーダの健康法、の一つである「オイルプリング」は、口腔内のバクテリアを殺し、口臭を減少させるなど口腔内の健康を保つための歴史ある民間療法です。今回はその「オイルプリング」をみてみましょう。
オイルプリング(油引き)って何?
オイルプリングとはインド・スリランカの伝統的な民間療法。やり方は簡単。マウスウォッシュのようにオイルでクチュクチュと口を15-20分ほど洗い、その後吐き捨てます。使うオイルはココナッツオイルや白ゴマ油等。目的や好みの風味などによって変わってきます。
マウスウォッシュに勝るとも劣らないその効果とは?
・有害なバクテリアを減らす
口腔内には300~400種類ものバクテリアがいるといわれています。中でも虫歯菌として有名なミュータンス菌は口腔内の主要な細菌の1つ。食べカスに菌がくっついてできたプラーク(歯垢)を温床として増殖し虫歯をつくります。これらの菌をオイルプリングによって減らすことができるのです。
成人60人を対象としたある研究では、蒸留水で口をすすぐのと比較して、毎日10分間ココナッツオイルでオイルプリングをおこなうと、わずか2週間で唾液中のミュータンス菌の数が22.79%減少することがわかりました[3]。