血中や尿中のシュウ酸カルシウムや尿酸値が高い状態は、腎臓に関連した疾患の予備軍であることを意味します。その中でも腎臓にできた結石が尿路に下降して発症する尿路結石症の患者数は年々増加傾向にあると言われ、日本人の生涯有病率が10%、つまり10人に1人がいつか発症する可能性がある比較的有病率の高い病気です[1]。潜在的に発症している可能性もあるため無症状であっても突然背中や下腹部などに激痛が走り手術が必要になることも。今回は、生活習慣と深い関りがあると言われているこの尿路結石症の予防や対策などについてフォーカスしていきます。
尿路結石症とは?
腎臓で形成、蓄積されるシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの結晶が腎臓結石の正体ですが、痛みを感じる前は症状があまりないため、健康診断などで発見されても特に処置を行わない傾向にあります。しかし、腎臓で蓄積されていた結石が繊細な尿管に落ちてくると、腰の後ろ側や、脇腹、下腹などに急な痛みを伴う尿路結石症の症状が発生します。また、結石が尿の流れを妨げるため、腎臓の感染症や腎臓障害を引き起こす可能性があります [2]。治療法は結石の大きさや場所によりさまざまですが、薬による治療をはじめ、重度の場合は手術が必要な場合も。一度治ったとしても、食事や生活習慣の改善を実践しないと80~90%の確率で再発するとも言われていますので[3]、一度発症した人、小さな結石が見つかった人を含め、結石を成長させない対策を心掛ける必要があります。