砂糖やアルコール、タバコなどが健康に悪いということはほとんどの人が認識していますが、なぜか、あまり注目されていないのが一部の食用油が与える体への悪影響。植物油の多くが健康的でないという記事は以前にもお伝えしましたが、中でも、菜種油とキャノーラ油は似たような原材料から抽出、精製された油であるにも関わらず、まったく別の油として認識されているため、健康へのインパクトはイマイチ不透明でもあります。今回は、この菜種油とキャノーラ油のそれぞれの健康リスクにフォーカスしていきます。
菜種油とキャノーラ油の違いはエルカ酸
両方とも菜種を原材料としているのに、名称が違う菜種油とキャノーラ油。その主な違いはエルカ酸(エルシン酸)の有無です。菜種には不飽和脂肪酸のエルカ酸がその脂肪酸構成の約30%~60%を占めますが、エルカ酸の長期の摂取により心臓疾患の要因になる可能性が研究で報告されています[1]。このことから、カナダでは、このエルカ酸の含有量を減少させるため、品種改良された菜種から抽出された油が開発されました。