グルテンフリーという言葉を最近よく耳にしませんか? グルテンフリーとは、「グルテンが入っていない食べ物」という意味。グルテンというのは一種のタンパク質でさまざまな健康上の害があるため、大多数の人は食べない方がよい、という考え方が現在欧米を中心に広まっています。果たしてグルテンは本当に有害なのか、それを避けることでどのような健康効果が期待できるのか、紹介していきたいと思います。
グルテンとは?
そもそもグルテンとは何でしょうか? 小麦やライ麦などの穀類にはタンパク質が含まれています。そのほとんどがグリアジンとグルテニンというタンパク質です。小麦粉などに水を加えてこねると、このグリアジンとグルテニンが結合してグルテンができます。
グルテンの名前の由来はラテン語の「グルー」という言葉です。「グルー」とは粘着剤という意味で、グルテンには粘りつくという特性があり、パンやケーキをフワフワにするためには不可欠なものですし、うどんのコシもグルテンから生まれます。麩(ふ)はグルテンそのものです。
グルテンが植物のタンパク質だと聞くと、大豆などの植物性タンパク質が健康によい(本当はそうでもないのですが)と一般に思われている日本では、何となく体に良いイメージがあるかもしれません。例えば、ベジタリアンや数年前まで流行っていたマクロビ食においては、良かれと思って動物性タンパク質の代わりにグルテンで作られた肉もどきで代用したりしています。
しかし、グルテンは人間には消化できません。アメリカにあるセリアック研究センターのファザーノ博士によれば、人類はグルテンを完全に消化できるようには進化していないそうなのです[1]。