50年前の日本では、アレルギーはあまり多く見られることはありませんでしたが、先進国での工業化や文明化に伴い、現在の日本ではなんと国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っているといわれています[1]。ハウスダストや花粉などはアレルギー反応が比較的明確なので認識している人も多いかとは思いますが、さまざまな種類のある食物アレルギーは下痢や腹痛、痒みなどアレルギー以外の理由でも起こりえる症状を伴うため見逃しがちに。もしあなたがこうした症状に悩んでいる場合、食物アレルギーが原因の可能性も?今回は、食品に潜むアレルギーにフォーカスしていきます。
即時型と遅延型の2種類ある食物アレルギー
食物アレルギーの主なメカニズムは大きく分けると即時型IgE抗体アレルギーと遅延型IgG抗体アレルギーの2種類に分けられます。食物アレルギーの多くは即時型。個人差はありますが、食物や吸入によるアレルゲンへの曝露からだいたい2時間以内にアレルギー反応が起こり、じん麻疹・湿疹・下痢・咳などの症状を伴います。遅延型のメカニズムはまだ詳しくは解明されていませんが、アレルギーの症状が出現するまで数時間から数日かかるため、アレルギーが原因の症状であることに気が付かない場合も。よって、アレルギーの有無を検査する場合、即時型と遅延型のどちらも検査して知ることが推奨されています。