しっかり除菌して清潔に! 子どもや家族のためを思って、普通の石けんではなく抗菌石けんや除菌効果の高い商品を選んで買っている人も多いと思います。実は抗菌・殺菌効果の高い薬用石けんや商品の一部には、健康に悪影響を及ぼす成分が含まれていることが最近の研究で明らかになってきました。アメリカではこのような抗菌石けんの販売をすでに禁止しています[1]。
問題となっているのはトリクロサン(triclosan)と呼ばれる成分です。日本でもよく見かける抗菌・殺菌をうたった商品の一部にトリクロサンが使われていますが、アメリカでの措置を受けて、トリクロサンを含む薬用石けんの切り替えを、各メーカーが行っています[2]。
しかし、トリクロサンが使われている製品は石けんだけではなく、様々な商品で使われています。トリクロサンを含む抗菌製品を使い続けると体にどのような影響が出てくるのでしょうか。身体に悪い成分は使わず、安全・安心に除菌を行う方法はあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
身近な商品に含まれるトリクロサンとは?
トリクロサン(triclosan)とは抗菌成分のひとつで、一般家庭にある薬用石けんやうがい薬、歯磨き粉、デオドラント、制汗剤などの商品に含まれており、日常生活の様々なシーンで使われています。
今では一般的な抗菌剤の成分として使われているトリクロサンですが、実は1969年にアメリカで農薬として登録されており、今日でもその登録は削除されていません[3]。日用品としても私たちの身近にある、ありとあらゆる商品に使用されています。例えば、ベルトコンベヤや消火ホース、接着剤、ビニール袋、床のワックス、履物、衣類などに抗菌剤として使用されています[4]。