マルチビタミン、ビタミンC、ビタミンD、カルシウムなど、市場では数多くのサプリメントが販売されています。しかし皆さん、サプリにも相互作用があるのをご存知でしょうか? 数種類服用しているサプリがその作用を減弱しあったり、反対に一緒に服用することでさらに効果が増強したりすることがあるのです。せっかく服用するなら、さまざな相互作用をうまく利用した賢い服用をしたいですよね。ここでは、以下の代表的なサプリとその相互作用を紹介したいと思います。
● ビタミンC
● 鉄剤
● カルシウム/ビタミンD
● プロバイオティック(腸内細菌)
ビタミンC
ビタミンCは美容と健康にとって最も大切なビタミンといっても過言ではありません。実はビタミンCは鉄やカルシウムの吸収を促進するので同時服用がお勧めです。私も薬局では貧血気味の患者さんに「鉄剤はビタミンCをたっぷり含んだオレンジジュースと一緒に服用してください」といつもアドバイスをしています[1]。
鉄剤
鉄剤は貧血気味の人にとっては必要不可欠なサプリですが、実はこのサプリは体内への吸収率が低く、食事と共にとると吸収率が低下します。ですから空腹時に服用するのが最適です。またこの鉄剤、体内への吸収率が悪いだけでなく、他の多くの栄養素と相互作用があるので注意が必要です。お茶に含まれているポリフェノール、カルシウム、繊維などは鉄剤の吸収を阻害します。一緒に服用しない方がよいでしょう[2, 3, 4]。
なお、男性や閉経後の女性の場合は、逆に鉄分過多の人も多いと言われていますので、自らの定期健診などの結果を見て適切に判断してくださいね。
カルシウム/ビタミンD
カルシウムは骨の健康に重要な栄養素です。特に日本を含むアジア女性は骨密度が比較的低いので、積極的なカルシウム摂取により骨粗鬆などの予防にもなります。また、カルシウム吸収にはビタミンDがとても重要な役割を果たしており、ビタミンDと共に摂取するとより良い効果が得られます[5]。
プロバイオティック
プロバイオティックは抗生剤服用中に起こりうる下痢などに対して投与される腸内環境を整える重要なサプリです。ですが、皆さん、このプロバイオティックサプリ、忘れないようにと抗生剤と同時に服用していませんか? 実は抗生剤は腸内の悪玉菌だけでなく、プロバイオティックによって補充された有益菌までも死滅させてしまうため、時間差をつけて飲まなければ意味がないのです。プロバイオティックは抗生剤を服用した2~3時間後が最適な服用時間とされています[6, 7]。