食生活の欧米化に伴い、痛風になってしまう人が増えています。その主原因と言われているのが「プリン体」という成分…でもいまいちなじみがありません。今回はこのプリン体の正体を理解して、痛風予防の方法を考えていきましょう。
よく聞くけど、「痛風」ってなんでしょう?
痛風は体内での尿酸の蓄積によって起こります。体内での尿酸の発生と腎臓での排泄のバランスが崩れると血液中の尿酸値が高くなり、高尿酸血症が引き起こされます。結果、体の様々な場所に余分に作られた尿酸でできたトゲのような結晶が作られ、激痛を伴う結節、関節炎、腎障害などが引き起こされます。結節、関節炎は急性の痛風発作でよくみられる症状で、特に多いのが足の親指の付け根に激痛、発赤、腫脹、熱感などの炎症症状。また結晶が腎臓に大量に付着することによる腎障害で腎不全に至り、人工透析が必要となることも[1]。
日本でも患者数は増加の一途をたどっており、現在100万人を超えているとも言われています。痛風関節炎を発症していない無症候性高尿酸血症の人は1,000万人に達するとも。痛風にかかるのは20歳以降が多く、男女比は男性が98.5%で女性はわずか1.5%といわれています[2][3]。この理由は、痛風の原因である血液中の尿酸値が女性は男性より低いからであり、女性ホルモンに腎臓からの尿酸の排泄を促す働きがあるからと考えられています[4][5]。
よく知られているように、痛風の原因である尿酸値の上昇に「プリン体」という聞きなれない物質が密接に関わっています。どのような物質で、どんな役割があるのでしょう?