みなさんが毎日摂取している脂質の多くは、「トリアシルグリセロール」と呼ばれる単純脂質で、このグリセロールに脂肪酸が結合したものが油脂となります。この脂肪酸が油脂の性質に大きく影響を与え、いわゆる良い油、悪い油を生み出します[関連記事:種類さまざま!「脂質」についておさらいしよう!]。その悪い油脂の代表格でもあるのがトランス脂肪酸。この悪名高いトランス脂肪酸は、意外にも身近な食品に多く含まれているのをご存じでしたか?
天然と人工の2種類あるトランス脂肪酸とは?
不飽和脂肪酸の一種であるトランス脂肪酸は、牛、羊、山羊などの反芻(はんすう)動物から精製される天然由来と、工業プロセスにより液体植物油に水素を加えて固体にすることで精製される人工由来の2種類あります。農林水産省では、これらの2種類のトランス脂肪酸が健康にどのように影響を及ぼすかは十分な科学的根拠がないとしていますが、反芻動物由来のトランス脂肪酸はCLA(共益リノール酸)という栄養素で体に与える影響人工由来のものとは全く違います [関連記事:サプリメントではなく食事から。CLA(共役リノール酸)に期待できる健康効果とは?]。CLAはさまざま健康効果が期待できますが、人工由来のトランス脂肪酸はどうなのでしょうか?