加齢に伴い低下する認知機能。最終的にはアルツハイマー病などの認知症を引き起こす可能性があり、高齢者の生活の質のためにも、認知機能の維持はとても大切です。以前の記事でも認知機能の低下にはさまざまな要因があることをお伝えしましたが、アミロイドβという物質は認知症の原因の1つと言われています。このアミロイドβは比較的早期から脳内に蓄積されてしまうため高齢者になってから対策を始めるのでは遅すぎる可能性があるとも。今回は、できれば溜めずに取り除きたいこのアミロイドβについてお伝えしていきます。
アミロイドβって何?
アルツハイマー病患者の脳に見られる老人斑(アミロイド班)の主成分であるアミロイドβ。神経の成長と修復に欠かせない役割を果たしているAPP(アミロイド前駆体タンパク質)がタンパク質分解処理されることで生成されますが[1]、このアミロイドβが脳内から排出されずにゴミとして蓄積されることで記憶と認知能力の喪失につながる神経変性のプロセスを引き起こすと言われています[2][3]。高齢になってから蓄積が始まるわけではなく、アルツハイマー病発症の15年前という早い段階からこのアミロイドβの蓄積が始まるという研究報告もあるため、若年層だからといって無関係だとは言い切れないのです[4]。