エネルギーの産生に関わっていたり、筋肉や臓器、皮膚や毛髪などの構成成分であるたんぱく質を体内で構成するアミノ酸は、私たちの体に必要不可欠な栄養素です。このアミノ酸は全部で20種類。体内で糖質や脂質から生成することができる11種類の非必須アミノ酸、体内では生成することのできない9種類の必須アミノ酸に分類されますが、これらの20種類のアミノ酸が1つでも欠けるとタンパク質を合成できません[1]。厚生労働省は、通常の食事をしていれば不足することはない、としていますが、菜食主義や加工食品による偏った食生活などが原因で必須アミノ酸が十分摂取できていないこともあり得ます。今回は、経口摂取しなければならない必須アミノ酸9種類をリストアップしそれぞれの役割などをお伝えしていきます。
リジン
コラーゲンの生成とカルシウム保持に大きな役割を持つリジンは[2][3]、筋肉の構築、骨の強度の維持、怪我や手術からの回復のサポート、ホルモン、抗体、酵素の調節に必要不可欠な必須アミノ酸です。また、抗ウイルス効果も期待できる可能性があります[4]。あるラットを使った研究では、リジン不足がストレス誘発性の不安やメンタルヘルスの低下に繋がる可能性も示唆されています。