みなさん、フリーラジカルという言葉を一度は聞いたことがあると思いますが、健康に悪いもの、といった漠然としたイメージがありますよね。確かにフリーラジカルが体内で産生され酸化ストレスレベルが高まると、老化の促進やさまざまな疾患の要因となりえますが、同時にこのフリーラジカルが体の免疫系において健康維持のために重要な役割を果たします。今回は体内での適度なバランスが大切なフリーラジカルとの向き合い方についてお伝えしていきます。
フリーラジカルとは?
原子核と電子からなる原子が複数組み合わさることで構成される分子は、2つの電子が安定した状態で対をなして存在していますが、その電子が離れて存在した状態、すなわち不対電子のことをフリーラジカルと呼びます。フリーラジカルと一緒によく耳にする活性酸素は、不対電子を持つ場合と持たない場合があるため、微妙にフリーラジカルとは意味が異なりますが、どちらも生体成分との反応性が高く、タンパク質とDNAへの酸化的損傷、脂質過酸化反応等、体にさまざまな障害を与え、老化、生活習慣病と関りを持っています[1][2][3]。