たいした栄養素も含まれていないアルコール飲料ですが、ストレス解消やレクリエーションの一環として多くの人に飲まれています。1日平均40g以上のアルコール摂取量の男性が726万人、20g以上の女性が310万人と、アルコール依存症の疑いのある日本人の飲酒者が総計で1036万人にも及ぶというデータもあります。つまり、約12人に1人がアルコール依存症かもしれないという計算です。飲酒量がそこまでではなくても習慣的にお酒を飲んでいる人の数も含めるとものすごい数になることが容易に想像できます。過去の様々な記事でアルコールの健康リスクをお伝えしてきましたが、老化という側面からはどうなのでしょうか?アルコール摂取は老けを促進する原因になるのでしょうか?お酒をたくさん飲んでいる人の顔ってなんだか疲れていたり、老けて見えたりしますよね。今回は、アルコールと老化についてお伝えしていきます。
一番気になる肌の老化
飲酒による加齢に伴う皮膚の老化の観点から、特に大きなデメリットの1つが体内の脱水作用。アルコールの過剰摂取は利尿を妨げる働きを持つADH(抗利尿ホルモン)の分泌を抑え頻繁な排尿を促すことで体内の水分量を低下させます。皮膚には肌の細胞の弾力性を保持するために必要なヒアルロン酸と呼ばれる体内の水分を保持する分子が含まれていますが、体内の水分量が低下することでこのヒアルロン酸量も減少し、むくみや肌の乾燥をはじめ皮膚の薄い顔や首や手などにシワができる原因となります。また、この水分不足により皮膚細胞の保護作用が働き、より多くの皮脂が分泌されることでニキビや丘疹などの原因にも[1]。特に長期のアルコール摂取はこのヒアルロン酸の減少につながりますので注意が必要です。