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疲れやすい、、イライラする、、。それってもしかしたら見逃しがちな甲状腺疾患かも?
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疲れやすい、、イライラする、、。それってもしかしたら見逃しがちな甲状腺疾患かも?

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・見過ごされがちなのが甲状腺ホルモンの異常や障害によって発症する甲状腺疾患とは?
・甲状腺疾患の原因と関連するヨウ素摂取量
・注意したい甲状腺ホルモンを阻害する大豆とセレンの摂取バランス
・放置しているとリスクが高まる心臓の病気

 

病院に行くほどではないけど、原因不明の体調不良で悩んでいるかたも多いと思います。考えられる原因の1つとしてホルモンバランスの乱れがあります。中でも見過ごされがちなのが甲状腺ホルモンの異常や障害によって発症する甲状腺疾患。実は結構多くの人がこの甲状腺疾患であることに気が付かずにいるとも言われています。放置していると心臓に深刻な影響を与える可能性も。今回は、この甲状腺疾患にフォーカスしていきます。

 

甲状腺疾患って何? 症状は?

首の喉仏の下辺りにある甲状腺は、甲状腺ホルモンのトリヨードサイロニン(T3)とチロキシン(T4)を生成し、代謝の調節を助けるだけでなく、脳の発達、消化機能、筋肉の制御、気分のバランスを保つ働きがあります。この甲状腺のホルモンの生成が不足すると主に甲状腺機能低下症、過剰になると甲状腺機能亢進症。これらの甲状腺の異常や障害によって起こる症状を総して甲状腺疾患といいます。

主に甲状腺ホルモンの分泌の乱れによって引き起こされる甲状腺疾患ですが、以下のような症状を引き起こす可能性があります[#] “Thyroid Disease.” n.d. Accessed February 10, 2021. https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/8541-thyroid-disease.  [#]“甲状腺疾患診断ガイドライン2010|日本甲状腺学会.” n.d. Accessed February 10, 2021. http://www.japanthyroid.jp/doctor/guideline/japanese.html.

甲状腺機能亢進症(ホルモン過剰生成)

  • ​不安や過敏症及びイライラ
  • 睡眠障害
  • 体重減少
  • 筋力低下や衰え
  • 生理不順や月経周期の乱れ
  • 目の炎症

 

甲状腺機能低下症(ホルモン生成不足)

  • 疲労感や倦怠感
  • 体重増加
  • 物忘れ
  • 月経周期の乱れ
  • 冷え症
  • 便秘
  • 記憶力低下

 

など、他の疾患の症状とも重なるため、甲状腺疾患を自覚しないまま放置してしまったり、診察で誤認されたりするケースも。そのため、年間約45万人の患者数が厚生労働省によって発表されていますが、その5倍近くの人が治療が必要であるにも関わらず放置している可能性が指摘されています[#]“甲状腺疾患啓発・検査推進運動|日本甲状腺学会.” 。また、有病率は女性の方が圧倒的に多く、男女とも年代上昇とともに有意な増加傾向が見られます[#]“[甲状腺疾患:診断と治療の進歩].” n.d. Accessed February 10, 2021. https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/4/99_686/_pdf.

 

甲状腺疾患の原因と危険因子。

甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症の両方に関係するのがヨウ素の摂取量。
甲状腺ホルモンの主原料とも言えるヨウ素は、甲状腺ホルモンの生成になくてはならない栄養素ですが、過剰に摂取すると甲状腺機能亢進症、不足すると甲状腺機能低下症の原因になりえます[#]“厚生労働省eJIM.” n.d. Accessed February 10, 2021. https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/06.html. 。日本人は昆布などの海藻を食べる文化のため、一般にヨウ素を十分に摂取していると考えられています[#]“甲状腺に関する基礎的情報 環境省_ヨウ素について.” 。そのため、ヨウ素不足が原因で甲状腺機能低下症になりにくいと言われています。しかし、微妙なバランスで成り立っているのが人間の体、ことはもっと複雑です。実は、ヨウ素の過剰摂取は甲状腺ホルモン合成を阻害し甲状腺機能低下症を引き起こす可能性もあるのです。そのため、多すぎず少なすぎず、バランスの取れたヨウ素の摂取が大切となります。特に昆布に含まれるヨウ素の量は非常に多く、こぶだしの形でしか摂っていなくても、気を付けていないとすぐに過剰摂取になってしまいます。この記事で詳しく説明していますので気になる人は参考にしてくださいね。

【関連記事】「冷え症や疲労は、もしかしたらヨウ素不足かも?和食好きはヨウ素過多の可能性も?

 


 

 

甲状腺ホルモンを阻害する大豆

甲状腺疾患は、生活習慣の乱れも含めさまざまな要因が重なり発症するため、予防策を特定するのは難しいですが、 注意したい食品の1つが大豆。大豆には、ヨウ素の取り込みを阻害し、甲状腺の肥大を引き起こすと言われているゴイトロゲンという化合物や、甲状腺ホルモンの作用を阻害する可能性が指摘されているイソフラボンなどが含まれているのです。そのため、大豆の食べ過ぎは甲状腺ホルモンのバランスをマイナス方向に崩す原因になる可能性があると言われています。このイソフラボンは、以前の記事でも掲載しましたが、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きを持つため、摂取のし過ぎは男女共に健康のリスクが伴う可能性も。栄養素もあり健康に有意に働く側面を持ちつつも、ホルモンバランスの乱れの原因やその他の健康リスクも伴う可能性のある豆腐などの大豆食品を頻繁に食べている人は、少し控えた方がいいかも。

【関連記事】「実は身体によくない!?畑の肉といわれる大豆の正体

 

 

摂取バランスが重要なセレン

藻類、魚介類、肉類、卵黄に豊富に含まれているセレンは、甲状腺ホルモンの代謝、生殖、DNA合成に不可欠で、橋本病及び甲状腺機能低下症、バセドウ病の症状を軽減する可能性があることは分かっています[#]Ventura M, Melo M, Carrilho F. Selenium and thyroid disease: From pathophysiology to treatment. International Journal of Endocrinology. 2017;2017:1297658. doi:10.1155/2017/1297658.  [#] Santos LR, Neves C, Melo M, Soares P. Selenium and selenoproteins in immune mediated thyroid disorders. Diagnostics. 2018 Oct 4;8(4):70. doi:10.3390/diagnostics8040070. 日本人は不足することが稀であるセレンですが、やや毒性が強く、サプリメントなどでの摂取のし過ぎは、甲状腺疾患にも悪影響を与えるだけではなく、神経症状や腎不全などを引き起こす可能性もあるので注意をしましょう[#]“Selenium Neurotoxicity in Humans: Bridging Laboratory and Epidemiologic Studies.” 2014. Toxicology Letters 230 (2): 295–303.

 

グルテンフリーダイエットと甲状腺疾患の関係性

非常に限られた研究結果ではありますが、グルテンに対する不耐症である自己免疫疾患のセリアック病を患っている人は、橋本病を発症する可能性が高くなると言われています[#]Krysiak R, Szkrobka W, Okopein B. The Effect of Gluten-Free Diet on Thyroid Autoimmunity in Drug-Naïve Women with Hashimoto’s Thyroiditis: A Pilot Study. Exp Clin Endocrinol Diabetes. 2018 Jul 30; doi: 10. 1055/a-0653-7108.  [#] Krysiak, R., W. Szkróbka, and B. Okopień. 2019. “The Effect of Gluten-Free Diet on Thyroid Autoimmunity in Drug-Naïve Women with Hashimoto’s Thyroiditis: A Pilot Study.” Experimental and Clinical Endocrinology & Diabetes: Official Journal, German Society of Endocrinology [and] German Diabetes Association 127 (7). https://doi.org/10.1055/a-0653-7108. 。よって甲状腺機能低下症のリスクに繋がる可能性も。グルテンは、これだけではなく、さまざまな原因不明の疾患を引き起こす引き金と言われています。正しくグルテンフリーダイエットを実践することで体調の有意な変化がみられるかもしれません。

【関連記事】「原因不明の体調不良は小麦粉のグルテンが原因かも?グルテンフリーの有効性

 

放っておくと心臓に負担が。

心臓、血管、代謝などの生理機能の調整に重要な役割を果たしている甲状腺ホルモンですが、甲状腺機能低下症は、心拍出量の低下、末梢血管抵抗の増加、動脈コンプライアンスの低下等を引き起こし、心不全などの心臓の病気のリスクを増大させる可能性もあるので、甲状腺疾患の症状にいくつか当てはまる人は、必ず医者に診て貰うようにしましょう。

 

 

まとめ~それってもしかしたら見逃しがちな甲状腺疾患かも?~
引き起こす原因や症状が非常に複雑で、発症しているかどうかの認識がなかなか難しい甲状腺疾患。もし、甲状腺機能亢進症(ホルモン過剰生成)、もしくは甲状腺機能低下症(ホルモン生成不足)の諸症状に思い当たる点があれば、甲状腺機能の観点から医者に検査してもらってみてください。また、手放しで大豆が健康に良いと多くの人に勘違いされている日本では、豆腐などの大豆製品の過剰摂取でホルモンバランスを崩し、甲状腺疾患を引き起こしている可能性がありますので、食べる量はほどほどに。また、案外多くの人にとって体の不調の元となっている可能性が指摘されているグルテンを食事から取り除いて、体調の変化をみてみるのも良いかも。

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