たかが歯科治療、されど歯科治療。単なる虫歯の治療も一歩間違えれば、あなたの健康を害することも……。最近、「歯は抜くな」とか「抜くな、削るな、被せるな」といった、従来の歯科医療に対し疑問を呈する本が話題になっています。欧米では、「口」だけを対象にした一般歯科医ではなく、「体、心、魂」の3つのアプローチから治療するホリスティック歯科医療への関心が高まってきています[1]。今回はこのホリスティック歯科についてご紹介したいと思います。
ホリスティック歯科を知る前に、あなたの歯科医は大丈夫?
「歯医者に行くの嫌だなあ」。こんな思いが、大切な歯科医選びをナアナアにしてしまいがち。虫歯ができたら削ればいい、と考えている歯科医や、保険外治療の審美性ばかりを勧める歯科医に、大切な歯の健康を任せることはできますか?
水銀アマルガムを使用する歯科医は絶対NG
ホリスティック歯科医の場合、通常私たちの免疫システムに悪影響を与えかねない歯科材料は使用しません[2]。しかし、従来の歯科治療においては、水銀やステンレススチールなどの歯科用金属が、その毒性が明らかになっているにもかかわらず、使用されてきたのです。特に150年以上の歴史がある歯科用水銀アマルガムに関しては、口腔内で水銀が遊離するため、様々な弊害が指摘されています[3]。
また、歯科用アマルガム以外でも、金属が使用される場合には、唾液が電解液として作用し、口腔内にガルバニー電流と呼ばれる電流が発生します[4]。それにより金属イオンが溶け出し、金属アレルギーの原因になったり、不眠症を併発する原因になったりする可能性があります[5]。そのため、過去に奥歯などに詰め物をしたことがある方は、より安全性の高い、例えばセラミックなどの金属を含まないものに換えることをお勧めします。ただ、詰め物を換えるには歯をさらに削ることになるため、数回が限度。どうするのが一番良いかは専門家の判断が必要です。