みなさん、フラクタルって聞いたことありますか?
フラクタルとは、フランスの数学者べノワ・マンデルブロー博士が考案した幾何学の概念で、全体の一部が全体と自己相似になっているパターンや物などを指します。例えば、海岸線の凸凹は、大陸レベルのものと国レベルのものとさらには町レベルやそれ以下でも似たような凸凹になっていて、この凸凹を見ただけではどのスケールで見ているのか判断がつきにくいものです。自然界にはこうしたフラクタルパターンが多く存在します。なんと、人体の中にも、例えば静脈や神経、肺胞などにフラクタルパターンが潜んでいるのです。
ストレスレベルが最大60%低下
「人間の肺を取り出して見ると、枝状に繰り返され、小さな容積の中で巨大なサービスエリアを生み出しています。それは血液中の酸素を効率よく移すために必要な構造なのです」
と語るのは、オレゴンの物理学者でフラクタルの研究者でもあるリチャード・テイラー氏。彼は、この自然界の随所に見られるフラクタルパターンに注目し、フラクタルがストレスに及ぼす影響を研究。コンピュータで作成したパターン、自然の景色、絵画など、どのような媒体でフラクタルを見てもストレスレベルが最大60%低下するという結果を発表しました[1]。しかも、効果はほとんど時間差なしで表れ、ストレスがリリースされるというのです[2]。