日本人の3分の1は高血圧といわれる現在、塩分摂取量と高血圧の関係がますます注目されています。塩分過多が高血圧を引き起こすことは常識とされていますが、みんながみんなひたすら食事の塩分を控えるだけでよいのでしょうか? また、塩分の量の調整以外にも高血圧を予防する手立てはないのでしょうか? 今回は塩分の摂取量や血圧コントロールに効果的な食品など、身近な生活習慣で血圧を管理するヒントをご紹介します。
日本人は塩分摂り過ぎ? 減塩ブームの日本と世界を比較
味噌汁に醤油、漬物など、伝統的な日本の食卓には塩分多めの食品がたくさん。厚生労働省が発表した国民健康栄養調査によれば、日本人の塩分摂取量は10年前の1日11.2gから毎年徐々に減少し、28年度には1日平均9.9g(男性10.8g、女性9.2g)となりました。
また、塩分摂取量が多いのは比較的高齢者(50代以上)という傾向があります。若い人の塩分摂取量が減っていることが原因かどうかはわかりませんが、血圧の平均値もこの10年で徐々に低下してきています[1]。
塩分過多の危険性を啓発したり、減塩食品の開発に注力したり、国と企業が仕掛けた減塩ブームの効果で、日本人の食生活はじわじわと変化してきましたが、それでもまだ、「塩分過多の問題は解決できた」と安心できるレベルではありません。
世界の国々と比較すると、アメリカ(9.0g)やイギリス(8.0g)、オーストラリア(6.2g)、フランス(7.5g)など、成人病大国の西洋諸国よりも日本の塩分摂取量は高く、世界でもかなり高いほう[2]。WHO(世界保健機構)の食塩摂取量の目標値は1日5g、日本の厚生労働省の目標が男性8gと女性7gであることを考えれば、少し甘めの日本基準で見てもまだ塩分過多なのが現状です[3]。