もうすぐジトジト雨の季節…梅雨。恵みの雨ですが、避けられないのが湿気と…“カビ”。以前、geefeeでも「食べ物に含まれるカビ毒と生体アミンの基礎知識」で、食物に含まれるカビ毒について紹介させて頂きました。今回は食べ物だけに限らず、私たちの生活の中で生じうるカビによるリスクやその対処法についてシェアしていきます。
私たちの周りにはカビがたくさん
カビが属する真菌類は胞子(「種」のようなもの)を空気中に放出し、それが着地・付着して発芽することで成長していきます。浮遊している胞子は非常に小さく肉眼では見えません。5~12μm (マイクロメートル:1mmの1,000分の1)ほどしかなく、髪の毛の太さ(0.1mm前後)の100分の1程度と言われています。なかでも、黒カビは家の至るところによく発生するカビで、日本では特にカビの生育最適温度(25~28度)に近い時期(およそ5月から9月)に多く発生するようです[1][2]。黒カビは湿気の多いところで生育する好湿性真菌の仲間で、
・湿度の高い場所(浴室内、洗面所の壁など)
・結露で湿った場所(窓のサッシや壁、床)
・生活水で頻繁に濡れる場所(台所の流し周辺)
・エアコン
などで繁殖します[3][4][5]。この少なからず私たちも吸い込んでいるであろう黒カビ、思ったより重い人体への悪影響が報告されています。
カビの人への影響は?
まず、カビが花粉などのようにアレルギー反応の原因、アレルゲンとなって人体に影響を及ぼすことがあります。通常のアレルギー反応同様、鼻の詰まり・かゆみ、鼻水、口や喉のかゆみを主症状としています[6]。これだけなら良いのですが、真菌類がもたらす健康障害 「真菌感染症」がアレルギーとは別に区分けされています。この真菌感染症、白癬やカンジタなどの皮膚真菌症とカビ毒(マイコトキシン)による内科的疾患を代表とする内臓真菌症に分けられます[7]。今回注目する内臓真菌症におけるカビ毒(マイコトキシン)とは、カビの二次代謝産物として産生される毒素の総称です[8]。そのマイコトキシンによる人体への悪影響には以下のようなものが挙げられています。