コンピューターや携帯電話、電子レンジにワイヤレス機器など、EMF(electromagnetic field、電磁波・電磁界)は日常のいたるところで発生しています。EMFの悪影響は耳にしたことがあっても、日々テクノロジーの恩恵を受けている現代人は、EMFの害よりも利の方に関心が行きがちです。しかし、最近、EMFの健康に対する悪影響について一部の専門家が注目し始めています。今回はEMFの発生源や身体への影響、EMFの害を最小限に抑える方法などをご紹介。便利な社会の陰に隠れた都合の悪い真実に、少しだけ目を向けてみましょう。
街を取り巻く見えない電磁波(EMF)って何?
コンピューターやスマートフォン、モバイル機器など、生活のあらゆるシーンにテクノロジーが溢れています。そして、テクノロジーのあるところでは、必ずといっていいほどEMFが発生しています。日中の活動時間だけではなく、就寝中においても、現代人は絶えず見えない電磁パワーにさらされているのです。
X線やガンマ線などの電離放射線や太陽紫外線のUVが身体に悪影響を与えることは広く知られていますが、携帯電話やワイヤレス機器、Wi-Fiルーター、電子レンジなどが発する非電離放射線のEMFなら大丈夫というわけではないのです。これらのEMF被ばくにより、体内にはフリーラジカルが発生し、さらには酸化ストレスの一因となってミトコンドリアにダメージを与えるほか、DNAを傷つける恐れもあることがわかっています[1][2]。
ワシントン州立大学のマーティン・ポール教授をはじめ、多くの研究者が人間や動物、植物がワイヤレス機器から受ける影響を指摘しています。ポール教授によれば、EMFを浴びることにより、体内の電磁依存性カルシウムチャネル(VGCCs)が活性化[3]。大量のカルシウムが細胞内に流れ込むと、ペルオキシ亜硝酸という酸化ストレスの元凶を体内に作り出すのだそうです[4]。
EMFには具体的にどんな健康リスクがある?
テクノロジーの発展のお陰で、10年、20年前と比較すると、生活が驚くほど便利になりました。便利さと引き換えに目をつぶってしまっているEMSのリスク。具体的にどういった影響が考えられるのかをチェックしてみましょう。