骨を形成するカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が骨にどれくらい含まれているかの指標である骨密度。この骨密度が低下すると高齢者だけではなく若い人でも発症する可能性のある骨粗鬆症の原因になりえます。高齢者の場合、この骨粗鬆症が死に至る疾患である骨卒中を引き起こすことも。この骨密度を維持するために必要なミネラルの1つがカルシウムですが、カルシウムさえ摂取していれば骨の健康が維持されるといった単純な話ではありません。今回は、この骨密度をいかに維持、増加させ丈夫な骨をつくるかをお伝えします。
加齢に加えて骨密度が低下する要因とは?
カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分で構成されている骨の単位面積当たりのミネラル量が骨密度です。骨は骨全体の約60%のミネラル成分と約40%のコラーゲン繊維で形成されています[1]。加齢によって減少する骨密度ですが、一般的に女性の場合は20歳が骨密度のピーク。それ以降徐々に減少していきますが、エストロゲン分泌が激減する閉経前後に減少が加速します[2]。女性が骨粗鬆症になりやすいと言われているのはこのため。性ホルモンの量が骨密度に影響を与えるため、ホルモン量の低下が緩やかな男性は、50歳前後までは骨密度を一定量維持することができると言われています。しかし、睡眠不足[3]や運動不足、喫煙や飲酒[4]に加え、テストステロンの減少[5](特に男性において)などが要因で骨密度が減少すると考えられています。