ヘモグロビンの構成成分で、体内の各組織に酵素を運搬するというとても大切な役割を担う鉄。不足しても、過剰でも、健康リスクが高まる可能性があり、また、男女間でも、体内で蓄積されている鉄の量に大きな差があります。世界屈指の貧血大国と呼ばれている日本では、鉄不足の人が多い傾向にあるようですが、逆に摂り過ぎている場合もあるのです。今回は、鉄に関する情報をお伝えします。
日本人の鉄の推奨量と摂取量
厚生労働省の平成29年「国民健康・栄養調査結果の概要」データによると、鉄の食事一日あたりの摂取基準は以下の通りです。
女性の実際の摂取量より男性の実際の摂取量の方が多いのが分かります。特に男性は年齢が上がるのと共に摂取量が上昇し推奨量より少し多め。また、女性は月経があるので推奨量は高めですが、それに対し実際の摂取量はかなり低い数値となっています。月経により失う鉄損失量が1日辺り換算で0.55mg[1]。しかし、これも年齢によって変わってきます。月経が終わった頃には鉄の損失も少なくなりますので、必要な量も必然的に変わってきます。
また、摂取量と実際の蓄積量の傾向は異なります[2]。