太陽の光は健康の源。日光浴はビタミンDの生成という健康にとってとっても大切な働きがあるということは以前の記事で扱いました。でも日光の健康効果これだけではなく、もっともっと深いのです。例えば、概日リズム(体内時計)の調整、眠りや目覚めの改善、脳機能の活性化とアルツハイマーのリスク低下、免疫力の向上、などなど、心身ともに多くのメリットをもたらしてくれます。人の生活を大きく左右する概日リズムと日光の関係を中心に、太陽の光と人の健康との切っても切れない関係についてお話します。
体内時計を決定づけるのは光の明暗
紫外線のリスクなど日光はとかく悪者扱いされがちですが、太陽の光なくして人の健康はあり得ません。例えば、骨の強化や癌リスク低減のメリットで知られるビタミンDは、太陽の光を浴びることで体内で生成され、日々の生活の基本となる概日リズムも日光で設定されるのです。
概日リズムとは哺乳類に備わっている体内時計のことで、24時間周期で行動や身体機能を制御しています。体全体の概日リズムを決定づけるマスタークロックは脳内の視交叉上核という場所にあり、目から入る光の明暗により体内時計をセットします[1]。朝の明るい光で体内時計にスイッチが入ると身体機能が活発に動き出し、日が暮れて光を感じなくなると体内時計がオフになり睡眠へと誘うのです。
近年は昼間の太陽を浴びずに薄暗い屋内で長時間過ごしたり、煌々と輝く光の中で夜間を過ごしたりなど、光同期生クロックを混乱させるような生活スタイルが一般的になっています。青年期や早期成人期はホルモン変化の影響もあり、概日リズムが一日2時間遅れるようなこともあるそうです[2]。朝起きるのが遅く夜寝るのも遅いのは、だらしがないのではなくて、概日リズムが乱れているせいかもしれません。
概日リズムが狂うと人の健康も狂いだす