年々上昇傾向にある認知症の有病率。日本では、65歳以上の高齢者の約6人に1人が認知症の有病者、アメリカでは2050年には3倍にも膨れ上がると言われている深刻な問題です。老化による物忘れ程度であれば自然な現象と言えますが、認知症になると記憶力の減退や判断力の欠如などで当事者を含め周りの家族にも多大な影響を与えてしまいます。今回フォーカスしていくのはこの認知症。サプリなどに頼らず日ごろのトレーニングでできる改善、予防策を探っていきます。
認知症の定義と基礎知識
高齢になると自然と発生する物忘れや判断力の低下もありますので、認知症を患っているかどうかの判断は難しいところではありますが、代表的な認知症の判断基準として、世界保健機構や米国精神医学会によるマニュアルが用いられます[1]。具体的には、記憶、思考、見当識、理解、計算、学習、言語、判断等の脳機能の障害等が挙げられます。
認知症自体は病名ではありません。アルツハイマー病や血管性認知症、パーキンソン病等の多くの異なる病気によって引き起こされる可能性がある障害疾患の1つです。その原因の1/3が生活習慣によるもの[2]。2017年の研究では、