じっとしていても汗が噴き出てくるジメジメした日本の暑い夏はとにかく喉が渇きます。水分補給は必須となり、怠ると脱水症や熱中症のリスクが伴うことも。特に熱中症は、高齢者においては半数が屋内で、若年層においては野外での運動や作業中に発生しがち。治療が遅れると脳や筋肉をはじめ心臓、腎臓に損傷を与える可能性があり、場合により死に至ることも[1]。平成30年の日本では約1500人の死亡例が報告されています。ほとんどの人は喉が渇いて本能的に水分を補給していると思いますが、中には企業による誇大なマーケティング戦略の影響もありスポーツドリンクをガブガブ飲んだりタブレッツで塩分を補給している人もいますよね。でも、それって、実際どうなの?健康へのインパクトは?今回は、脱水症や熱中症の対策としてのスポーツドリンクや塩分チャージタブレットの有効性の有無にフォーカスしていきます。
脱水症や熱中症の回避に必要な水分と電解質
高温などの環境下で、体温調節の機能が適切に働かず、体内に熱がこもってしまうことで、めまいや頭痛、吐き気や障害などの症状を伴う熱中症のリスク要因の1つが脱水症です。特に湿度が高く猛暑の日本の夏では、体は発汗により体温を下げようとしますが、十分な水分補給を怠ることで脱水症が発生します。よって、みなさんもご存じのとおり、水分補給は欠かせないわけですが、発汗の際に水分と一緒に体から放出されるのがナトリウムなどの電解質。この電解質を水分と一緒に補う必要がありますが、その補給源として一般的に飲まれている傾向にあるのがコンビニや自動販売機などで手軽に手に入れることができるスポーツドリンクや塩分チャージタブレッツです。これらの商品は種類さまざまですが、そのほとんどに添加物が含まれ必要のない物質まで体に取り入れることになります。次のセクションで詳しく見ていきます。