体の免疫系は、体内で異物を認識し排除する役割を持っています。その異物を認識した際に、異物だけではなく、正常な異物や臓器や細胞にも過剰反応を起こし攻撃を加えることで炎症などの症状が出ることを自己免疫疾患と言います。これには、多くの種類が存在し、クローン病や円形脱毛症、間接リウマチなどが含まれます。自己免疫疾患は、免疫系の機能の不均衡が起因の1つとされていますが、その要因にはストレスや、栄養、ビタミン、ミネラルの欠乏、腸内細菌叢、アレルギーなどの多く挙げられます。
今回は、この免疫系の司令塔として免疫反応を制御するリンパ球T細胞の1つ「ヘルパーT細胞」が持つ2種類の細胞「Th1細胞(以下Th1)」と「Th2細胞(以下Th2)」についてお伝えし、この2つの細胞の絶妙なバランスの鍵を解くことで、自己免疫疾患の改善への道をご紹介したいと思います。
Th1とTh2とは?
主に、ウイルスや特定の細菌などの進入異物を攻撃する細胞性免疫を促進するのがTh1です。これらのウイルスが細胞内に入る際の防御線でもあります。また、Th2は、液性免疫と呼ばれる細菌、毒素、アレルゲンに関与しています。血液やその他の体液に存在する病原体に反応し抗体の産生を刺激する役割を果たします。