低炭水化物、高脂肪の食事法であるケトジェニックダイエットに期待できる健康効果は、体重減少や認知機能の改善などさまざま。geefeeでもケトジェニックダイエットと体や脳との相関性を特集してきましたが、睡眠やうつ病などの精神疾患との関連性も気になります。毎日の生活を快適に過ごすためにすべての人にとって重要なトピックですが、このケトジェニックダイエットが神経伝達物質のGABAの産生を促進するため睡眠や精神疾患の改善に一役買うとも言われています。今回は、このGABAを中心にケトジェニックダイエットが睡眠や精神の健康にどのような影響を及ぼすのかをお伝えしていきます。
神経伝達物質「GABA」の産生が良質な睡眠を促進
睡眠の質を高める、などのキャッチフレーズで販売されているチョコレート等でGABAという名前を聞いたことがある人もいるかと思いますが、こういった製品の効果の信憑性はさておき、γ-アミノ酪酸の略であるGABAは、精神を安定させる抑制性の神経伝達物質として働き、脳にリラックス効果や睡眠作用、安心感を促す働きを持ちます[1]。ある比較研究では、GABAを摂取した不眠症患者の睡眠が改善されたという結果が報告されています[2]。ケトジェニックダイエットはこのGABAの生成をサポートすると言われているのです。体のエネルギー産生がブドウ糖からケトン体に移行すると GABAの前駆体であるグルタミン酸がGABAの合成を促進することが分かっています[3]。このグルタミン酸は概日リズムを乱し睡眠の阻害をする興奮性神経伝達物質。ケトジェニックダイエットにより睡眠に悪影響を与えるグルタミン酸が睡眠に好影響を与えるGABAに変換されることで睡眠の質の改善に繋がると言われているのです[4][5]。