最近話題のケトン食ダイエット。炭水化物を減らし、高脂肪、適量のタンパク質を取り入れる食事療法です[1]。このダイエット法は正しく行えば一般に安全で有益とされていますが、一方で副作用である「ケトフルー」という症状が起こることがあり、これが途中でケトン食ダイエットを挫折してしまう大きな原因の一つになっています[2]。今回は、このやっかいなケトフルーの影響をどのようにすれば最小限に抑えることできるかをお伝えします。
ケトフル―とは、ケトン体ダイエットのスタート時に、一部の人に起こる症状です[3]。ケトン体ダイエットでは、通常のブドウ糖の代わりに、体脂肪から作り出すケトン体を燃焼させることで、体のエネルギー源とします。このように切り替わったエネルギー生成のサイクルをケトン体回路と呼びます[4]。
このケトン体回路は、炭水化物の摂取を1日50g未満にまで減らすことによって切り替えることができるといわれています[5]。こうして極端に炭水化物の摂取を減らすことは、長年糖質をエネルギー源にすることに慣れている身体に負担を与えることになり、意識がもうろうとしたり、頭痛や悪寒、めまい、不眠症、下痢のような消化器系のトラブル、過敏性などの症状が起こってしまうのです[6][7][8]。