フリーラジカルの酸化ストレスから細胞を守ってくれるアミノ酸化合物のグルタチオン。糖尿病やガンなどの病気を遠ざけ、脂肪肝を改善したり、健康と美容に大きな影響を与える重要な物質です。グルタチオンの主な働き、グルタチオン欠乏に陥った時の対処法など、今日からすぐに実施できるグルタチオン健康術をご案内します。
酸化ストレスから身体を守るグルタチオンとは
人や動物、植物の細胞内で作られる抗酸化物質のグルタチオン。グルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸が連なったペプチド(化合物)で、有害なフリーラジカルと戦って身体を酸化ストレスから守ってくれます[1]。
グルタチオンはもともと人の細胞内に存在する物質ですが、不健康な食生活を続けたり、慢性病や感染症を患ったり、持続的なストレスに晒されたりすることで減少してしまいます[2]。
また、加齢とともにグルタチオンの生成量が減っていくことも分かっています [3][4]。グルタチオンは具体的に身体にどういった働きをしてくれるのか、下記に主な効果をあげてみましょう。
・万病の元の酸化ストレスを軽減
フリーラジカルの量が増えすぎると、体内での有害物質の除去作業が追い付かず、身体が酸化ストレスに侵されます。酸化ストレスは糖尿病や癌、関節リュウマチなど、深刻な病気の引き金になりますが[5]、体内でグルタチオンのレベルが上がると抗酸化の働きが強まり、酸化ストレスに負けない体内環境を整えるのを助けてくれます[6]。また、グルタチオンは紫外線のダメージから守る役割や[7]、肌を明るくするという報告もあり、アンチエイジング効果が期待されていますが、実際効果があるかどうかはまだ研究段階のようです[8]。
・脂肪肝がもたらす細胞障害を軽減
肝臓細胞での酸化ストレスとグルタチオンなどの抗酸化物質の欠乏は、脂肪肝を引き起こす大きな要因です[9]。グルタチオンを投与すると肝細胞障害を示す数値が一部の脂肪肝患者で改善されたことが報告されています[10]。静脈へ直接グルタチオンを吸収させる注射や点滴での医療投与がもっとも即効性がありますが、サプリメントと生活改善によってグルタチオンを増やすこともできます。