自然環境の中に微量に存在するヒ素。1950年代に日本で乳児用調製粉乳によるヒ素中毒事件が発生して以来 [#] 国内で発生した事故・事例を対象として食品安全に係る情報の収集と提供に関する調査報告書 、ヒ素の有毒性が広く認識され、規制や取り組みが行われているものの、食品中からヒ素を完全に取り除くことは難しく、実際には多くの食品にヒ素が微量ながら含まれているのが現状です。その中でも、含有量が多いのが魚介類や米やひじき。今回は、欧米人と比べて日本人の摂取量が特に高いと言われているヒ素についてお伝えしていきます。
食品に中に含まれるヒ素って?
原子番号33の元素であるヒ素は、発ガン性を含め、人体にとって非常に有毒な物質です。土壌や地下水などの自然環境に微量に存在するヒ素は、飲料水や農作物、魚介類に取り込まれるため、食品中のヒ素を完全に避けることは難しいとされています。ヒ素は主に有機ヒ素と無機ヒ素の2つに分類され、無機ヒ素より有機ヒ素の方が毒性が低いと言われていますが、あくまでも低いというだけの話で、有機ヒ素が有害ではないということではありません。食品にはこの両方が含まれ、両方合わせが含有量は「総ヒ素量」と呼ばれています。