「病気にならない体を作るには、免疫力を上げる」、という言葉を良く耳にします。細菌やウイルスは、体の外部から私たちの体内に侵入し、繁殖します。このウイルスが、病原体となるわけですが、このウイルスと戦う役割を果たすのが免疫細胞。この免疫細胞を活性化、すなわち免疫力を上げることで病気に負けない体を作ることができます。毎年インフルにかかってしまう人、年に何度も風邪をひく人がいる一方、そうした病気とは無縁の人もいますよね。この違いの一要因と言えるのが個人個人のこの免疫力の強さ。では、いったいこの免疫力はどのようにすれば強化することができるのでしょうか?この原稿の執筆時点でコロナウイルス騒ぎが最高潮に達している感じなのですが、手洗いや外出控え以外にできることとして、地味ではありますが、検討に値すると考えます。
1 きちんと睡眠をとる
ウイルスや細菌の侵入を認識した体内のT細胞が、粘着性のたんぱく質であるインテグリンを活性化させ、感染した細胞に付着し死滅させる働きをします。
きちんと睡眠をとっている人のT細胞機能は、睡眠不足の人よりも高いレベルでインテグリンが活性化していることが研究で分かっています[1]。睡眠は健康に良いということが漠然と分かっていても、実際には軽視してしまっている人は多いのではないでしょうか?特にこの時期はきちんと意識的に睡眠をとりたいところ。
2 ビタミンDをしっかり採る
ビタミンDの健康効果は数多くあります。その中でも、ビタミンDを充分に摂るべき大きな理由の1つが免疫システムの強化。病気の原因となるウイルスや細菌を撃退するため細胞と直接的に相互作用します[2]。特に、風邪、気管支炎、呼吸器感染症のリスク軽減とも関連しています[3][4]。人ごみを避けて外出を控えている人は、太陽が出ている天気の良い日には積極的に日光浴をするように心がけましょう。また、ビタミンDのサプリメントも呼吸器感染症のリスク低下の効果が報告されています[5]。サプリメントを摂るならビタミンD3のものを。