この記事を読まれている方のなかにも、“頭痛持ち”の方がいらっしゃるのではないでしょうか? 「楽しい時間や“ここぞ!”というときの集中力が台無し…」「どうにかしたいこの原因の分からない頭痛…」と悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。
“緊張性頭痛”という言葉をご存知でしょうか? 原因がなく起こる頭痛(専門的には一次性頭痛)は、正確には片頭痛(偏頭痛)と緊張性頭痛に分けられています[1]。日本で緊張性頭痛を持つ人の割合は約20%(片頭痛は10%以下)、研究にもよりますが、“慢性頭痛”と呼ばれる頭痛の最大70~80%を占めているそうです[2]。
頭痛対策で仕方なく鎮痛剤を恒常的に飲んでいる方も多くいらっしゃるのでは? もし、この頭痛が姿勢を直すことで解消できるなら…。今回はそんな緊張性頭痛の原因と予防・改善方法をシェアします!
緊張性頭痛とその発生メカニズム
緊張性頭痛では、おでこや後頭部で圧迫されるような、締めつけられるような痛みが一般的です。痛みは軽度から中等度、日常での活動や運動によって悪化することは特にないとされています[3]。では、どのようにして生じるのでしょうか? 諸説ありますが、代表的なメカニズムを一緒に学びましょう。
頭や首まわりの筋肉の過剰な収縮は、その周辺に血流の減少(虚血状態)をもたらします[4]。このとき、血液と一緒に流れている物質であるプロスタグランジンやブラジキニンがとどまってしまいます。それらの物質が筋肉内の痛みを伝える神経の末端(侵害受容器)を刺激してしまうことで痛みが生じると考えられています[5][6][7][8]。頭や首の筋肉や筋肉を覆っている“筋膜”が凝り固まることでも虚血状態が引き起こされ、頭痛が生じます。また、神経が、硬くなった筋肉に直接圧迫されることも頭痛が発生するメカニズムの1つと考えられています[9]。