日常生活の中で誰にでも起こり得る急性の体の痛み。何か大きな疾患を抱えている場合はもちろん適切な治療が必要になりますが、突然やってくる原因不明の頭痛や肩こりなどの痛みや軽度の関節炎などを我慢するのは辛いものです。特に病院に通うほどの症状ではない場合、一刻でも早く痛みを取り除きたいがためについつい飲んでしまうのが鎮痛剤。長期使用による依存性も指摘されていますので、癖になってしまっている人がいるとも言われています。どうしても我慢ができないのであれば仕方がありませんが、鎮痛剤の常用には健康リスクが伴います。今回は、鎮痛剤による健康リスクや注意点などについてお伝えしていきます。
心臓病や脳卒中のリスクが伴う鎮痛剤の常用。
ほとんどの人が何かしらの場面で鎮痛剤を飲んだことがあるとは思いますが、その頻度は人それぞれ。中には一切、薬に頼らないって人もいますよね。病院などで処方されたうえでの適切な摂取はともかく、二日酔い、タバコの吸い過ぎ、寝不足、疲れなどによる頭痛、歯痛、軽度の関節の痛み、生理痛などが始まるとすぐに安易に手に入る市販のバファリンやロキソニン、イブなどの鎮痛剤に頼ってしまうことも。炎症を軽減、痛みを和らげるなどの効果が期待できるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれるこれらの鎮痛剤の成分自体の依存性や中毒性は低いにせよ、アメリカでは年間300億個も販売され人口の約15%もの人が定期的に使用していると言われています[1]。これらの長期及び定期的な服用は心臓発作、脳卒中、心不全、および心血管疾患などのリスクが増加するという研究結果が報告されています[2]。これはほぼすべてのNSAIDsに共通して言えることですので、不要不急の鎮痛剤の服用は極力避けるべきなのです。