Skip to navigation メインコンテンツに移動
安易に常用していませんか?不要不急の鎮痛剤を避けるべき理由。
72  

安易に常用していませんか?不要不急の鎮痛剤を避けるべき理由。

geefee ポイント geefee ポイント

・心臓病や脳卒中のリスクが伴う鎮痛剤の常用
・特に依存性の可能性があるイブプロフェン
・片頭痛や炎症などの痛みはサプリメントや食事で改善も

 

日常生活の中で誰にでも起こり得る急性の体の痛み。何か大きな疾患を抱えている場合はもちろん適切な治療が必要になりますが、突然やってくる原因不明の頭痛や肩こりなどの痛みや軽度の関節炎などを我慢するのは辛いものです。特に病院に通うほどの症状ではない場合、一刻でも早く痛みを取り除きたいがためについつい飲んでしまうのが鎮痛剤。長期使用による依存性も指摘されていますので、癖になってしまっている人がいるとも言われています。どうしても我慢ができないのであれば仕方がありませんが、鎮痛剤の常用には健康リスクが伴います。今回は、鎮痛剤による健康リスクや注意点などについてお伝えしていきます。

 

心臓病や脳卒中のリスクが伴う鎮痛剤の常用。

ほとんどの人が何かしらの場面で鎮痛剤を飲んだことがあるとは思いますが、その頻度は人それぞれ。中には一切、薬に頼らないって人もいますよね。病院などで処方されたうえでの適切な摂取はともかく、二日酔い、タバコの吸い過ぎ、寝不足、疲れなどによる頭痛、歯痛、軽度の関節の痛み、生理痛などが始まるとすぐに安易に手に入る市販のバファリンやロキソニン、イブなどの鎮痛剤に頼ってしまうことも。炎症を軽減、痛みを和らげるなどの効果が期待できるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれるこれらの鎮痛剤の成分自体の依存性や中毒性は低いにせよ、アメリカでは年間300億個も販売され人口の約15%もの人が定期的に使用していると言われています[#]Shmerling, Robert H. 2018. “Are You Taking Too Much Anti-Inflammatory Medication?” April 2, 2018. https://www.health.harvard.edu/blog/are-you-taking-too-much-anti-inflamm.... 。これらの長期及び定期的な服用は心臓発作、脳卒中、心不全、および心血管疾患などのリスクが増加するという研究結果が報告されています[#]Jacques, Erica. n.d. “How to Safely Quit Taking Painkillers.” Accessed September 1, 2021. https://www.verywellhealth.com/painkiller-withdrawal-chronic-pain-2564507. 。これはほぼすべてのNSAIDsに共通して言えることですので、不要不急の鎮痛剤の服用は極力避けるべきなのです。

特に注意が必要なのが、肥満や糖尿病患などの慢性疾患を持っている人及び血圧やコレステロール値が高い人、また、家族に心臓病歴がある場合。長期服用を避け、NSAIDsを服用してもよいか必ず医師に相談するようにしましょう[#]“NSAIDs and the Risk of Heart Problems and Stroke.” n.d. Accessed September 1, 2021. https://www.arthritis.org/health-wellness/treatment/treatment-plan/disea....

また、胃潰瘍、胃の出血、および胃や腸の内壁の損傷といった副作用を伴う可能性がありますので、胃腸がもともと弱い人などは十分注意が必要です。腸が傷つくと血流に未消化などの異物や無害な細菌が侵入し免疫反応の異常が起きることで、クローン病のような炎症性腸疾患や潰瘍性大腸炎のような自己免疫疾患につながる可能性も。潰瘍性大腸炎の患者の1/3がNSAIDsを服用していたことも報告されています[#]“Ulcerative Colitis” n.d. ttps://emedicine.medscape.com/article/183084-overview#a5. 。間違っても、痛みが軽減されないからといって、服用量を増やさないように。

 

特に依存性の可能性があるイブプロフェン

バファリンのアスピリン、ロキソニンのロキソプロフェンなど市販薬のNSAIDsの成分はさまざまありますが、中でも特に海外で注視されているのがイブに含まれているイブプロフェンという成分。鎮痛剤はその成分自体が持つ中毒性は無いと言われていますが、特にこのイブプロフェンは週3回の服用を3ヵ月間程度常用をすると依存性が高まる可能性が指摘されています[#]Mbe, Dr Sarah Jarvis. 2018. “Should You Worry about Painkiller Addiction?” June 19, 2018. https://patient.info/news-and-features/should-you-worry-about-painkiller....  [#]Roy, Susan. 2019. “Can You Get Addicted to Advil and Ibuprofen? NSAID Abuse.” January 7, 2019. https://fherehab.com/learning/addiction-to-advil-ibuprofen/.

 

 

また、鎮痛剤や下痢止めなどに含まれているコデインというアヘンから単離された成分は、イブプロフェンよりも大幅に高い依存性があります。アスピリンやロキソプロフェンに関する依存性の指摘はあまりありませんが、どれも同じ鎮痛剤。痛みを和らげ薬の効果が切れたら再び痛みが現れ、また鎮痛剤を服用するといった依存のようなループに陥る可能性は否定できません[#]Clinics, Superiormed. 2021. “Is It Safe to Take Painkillers Every Day? Options to Consider.” March 16, 2021. https://superiormedclinics.com/is-it-safe-to-take-painkillers-every-day-.... 。NSAIDsの乱用の弊害をきちんと認識している人が少ないのが日本の現状ですが[#]“The Overuse of NSAIDs.” n.d. Accessed September 1, 2021. https://www.physiciansweekly.com/the-overuse-of-nsaids. 、特に医師の指導も受けずに常用をしてしまっている人は一度改める必要があります。

 

片頭痛や炎症などの痛みはサプリメントや食事で改善も。

痛みの種類は千差万別になりますでその痛みの軽減方法は一概に言えませんが、ある研究では、1日400〜500 mgのマグネシウムの摂取は、片頭痛や月経などの痛みを軽減させる可能性が指摘されています[#]“Magnesium.” 2013. October 15, 2013. https://americanmigrainefoundation.org/resource-library/magnesium/. 。また、コエンザイムQ10やビタミンDも効果がある可能性が指摘されていますので、薬に頼る前にこういった栄養素の補充をすることで様子を見てみるのも良いかも[#]Mottaghi, Tayebeh, Gholamreza Askari, Fariborz Khorvash, and Mohammad Reza Maracy. 2015. “Effect of Vitamin D Supplementation on Symptoms and C-Reactive Protein in Migraine Patients.” Journal of Research in Medical Sciences: The Official Journal of Isfahan University of Medical Sciences 20 (5): 477. 。また、痛みや体の不快感は、体の慢性炎症が原因の可能性もあります。根本的な原因を取り除くことで改善されることもありますので、以前の記事を参考にしてみてください。

【関連記事】「薬に頼らず健康維持。炎症を起こしにくい食生活とは?

 


 

 

まとめ~安易に常用していませんか?不要不急の鎮痛剤を避けるべき理由。~
鎮痛剤はその場の痛みは治まったとしても、根本的な治療にはなりません。原因がなかなか特定できない慢性の頭痛などは鎮痛剤で痛みが収まる傾向にあるので放置されがちですが、症状の慢性化で悩んでいる人は必ず係りつけの医師に相談するようにしてください。服用しないに越したことはない薬に頼ることで、心臓病をはじめさまざまな健康リスクを負うことになっては、本末転倒です。もし、どうしても服用したいのであれば、あくまでも短期間で低用量に留めるようにしましょう。長期服用はNGです。
 

コメント

コメントを追加