近年、腸の状態が全身の健康状態に対して及ぼす影響の大きさに注目が集まっています
特に、腸の過度の透過性のために血流内に腸内の未消化物質が入り込むのが特徴の「リーキーガット症候群」が食物アレルギーをはじめとする様々な自己免疫疾患などの病気の発症に関与している可能性が示唆されています。
そこで今回は、リーキーガット症候群の特徴、原因、改善方法を詳しく解説します。
リーキーガット症候群とは?
リーキーガット症候群は最近になって注目され始めている病気の一つであり、日本では腸管壁浸漏症候群とも呼ばれています。
ヒトの消化管には、口から取り入れた飲食物を細かく消化し、必要な栄養分と水分を吸収する働きがあります。栄養分と水分の吸収が行われるのは小腸や大腸ですが、腸管内には吸収されるべき物質が血管内に取り込まれるための非常に細かい「穴」が開いています。これらの「穴」は通常は消化済みの栄養素や水分の吸収が行われるときにしか物質を透過させません。しかし、「穴」が大きくなってしまう、腸管内の細菌や未消化のたんぱく質などが血流に入り込んで、アレルギーや自己免疫疾患の症状を引き起こしてしまうので [1][2] 。
現在のところ明確な関与は証明されていませんが、多くの病気でリーキーガット症候群の特徴である「腸の透過性」が亢進していることが分かっており、何らかの関連があるのではないかと考えられているのです[3]。