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避けるべき?!簡便なうまみの化学調味料MSG(グルタミン酸ナトリウム)
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避けるべき?!簡便なうまみの化学調味料MSG(グルタミン酸ナトリウム)

geefee ポイント geefee ポイント

・第5の味覚とも呼ばれているうまみ成分のMSG(グルタミン酸ナトリウム)
・健康面では賛否両論
・皮膚の紅潮、発汗、頭痛などの症状例も
・MSGを極力摂取しない方法とは?

 

料理をよりおいしくするための味づけとして使用されるさまざまな種類の調味料。含まれている成分も確認せずに何かと様々な調味料を振りかけて味付けしていませんか?今回は、欧米で健康への悪影響が危惧されている化学調味料の代表格である「MSG(グルタミン酸ナトリウム)」についてお伝えします。

 

うまみ成分のMSG(グルタミン酸ナトリウム)とは?

MSGはグルタミン酸ナトリウムの略で、自然界で最も豊富なアミノ酸の1つであるグルタミン酸と関連しています。そもそもグルタミン酸は非必須アミノ酸であるため体内で合成できるうえに、昆布、トマト、マッシュルームや味噌、醤油など多くの食品に含んでいます。このグルタミン酸は水に溶けにくいので調味料としては使いづらいのですが、ナトリウムと結合させることで調味料として使いやすくしたものがMSGです。

このMSGが、特に和食や中華料理などのアジアの料理で多く使用される傾向があり、塩味、酸味、苦味、甘味に続く第5の味覚とも呼ばれている旨味成分を手っ取り早く得る手法として使われているのです。

 

MSGは多方面で賛否両論

MSGの健康に対する懸念の論争は、新生児のマウスに大量のMSGを注入したところ、脳の視床下部に損傷が発生したという、1969年の研究結果に起因します。また、この研究の少し前には、中華料理を食べたあとに、皮膚の紅潮、発汗、頭痛などの症状が伴うことが多く報告されたことから、中華レストラン症候群と呼ばれ、前者の研究の発表と共にMSGが危険だという認識が始まったという背景があり、今でも科学者や研究者の間で論争となっているだけでなく、消費者の間でも重大な関心事となっています。

 

 

MSGの危険性とは?

脳神経外科医であり、「Excitotoxins:The Taste that Kills」の著者であるRussell Blaylock博士もMSGの危険性を唱える1人。MSGは興奮毒であり、細胞が損傷、死滅するまで過剰に反応し、最終的には、学習障害、アルツハイマー病、パーキンソン病等を誘発させる可能性がある、と語っています。また、アメリカのFDA(食品医薬品局)は、身体は、脳の神経インパルス伝達物質として、アミノ酸であるグルタミン酸を使用し、遊離グルタミン酸であるMSGが、新鋭伝達物質として、脳、神経系、目、等の各臓器を回遊。動物実験では、脳の神経細胞が損傷したという結果を発表しています[#]“[FDA and Monosodium Glutamate(MSG)].” n.d. Accessed September 30, 2019. http://www.emagill.com/rants/fda_msg.pdf が、あくまでも人体には悪影響がないという立場を取っています。

また、MSGは、舌と消化器官にある受容体を刺激することで、食欲調節ホルモンの放出を誘発する食欲増進効果がある可能性があり[#]pubmeddev, and Et al Imada T. n.d. “Supplementing Chicken Broth with Monosodium Glutamate Reduces Energy Intake from High Fat and Sweet Snacks in Middle-Aged Healthy Women. - PubMed - NCBI.” Accessed September 30, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24768895.  [#]pubmeddev, and Et al Daly K. n.d. “Sensing of Amino Acids by the Gut-Expressed Taste Receptor T1R1-T1R3 Stimulates CCK Secretion. - PubMed - NCBI.” Accessed September 30, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23203156.  [#]pubmeddev, and Et al Hosaka H. n.d. “Monosodium Glutamate Stimulates Secretion of Glucagon-like Peptide-1 and Reduces Postprandial Glucose after a Lipid-Containing Meal. - PubMed - NCBI.” Accessed September 30, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22978669. 体重増加に繋がったという研究結果や[#]pubmeddev, and Et al Luscombe-Marsh ND. n.d. “The Addition of Monosodium Glutamate and Inosine Monophosphate-5 to High-Protein Meals: Effects on Satiety, and Energy and Macronutrient Intakes. - PubMed - NCBI.” Accessed September 30, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19267954. 、その性質から、味覚によって過剰摂取を感知することが出来ないため、MSG入りの調味料の入れすぎに気が付かず、適量を超えた過剰投入=過剰摂取をしてしまうケースもあるとのこと[#]『スタンダード口腔生理学』 学建書院 1994年

大量のMSGが血中グルタミン酸レベルを上昇させ、血中濃度が556%増加したという研究結果もありますが[#]pubmeddev, and Et al Baad-Hansen L. n.d. “Effect of Systemic Monosodium Glutamate (MSG) on Headache and Pericranial Muscle Sensitivity. - PubMed - NCBI.” Accessed September 30, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19438927. 血液と脳(そして脊髄を含む中枢神経系)の組織液との間の物質交換を制限する機構である血液脳関門は大量のグルタミン酸を通過させないので、脳には影響を与えないとされているため[#]pubmeddev, and R. A. Hawkins. n.d. “The Blood-Brain Barrier and Glutamate. - PubMed - NCBI.” Accessed September 30, 2019. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19571220. 通常の量のMSGの摂取は、人体の健康に影響はないとしています。

しかし、肌がチクチクする、頭痛、蕁麻疹、吐き気、消化不良のように軽度から重度までのMSGと相関する症状が多くあるのも事実なのです[#]Scopp AL. MSG and hydrolyzed vegetable protein induced headache: review and case studies. Headache. 1991 Feb;31(2):107-10. 。原因の分からない頭痛が、MSGの摂取をやめたら治った、というのはよくある話[#]Yang WH, Drouin MA, Herbert M, Mao Y, Karsh J. The monosodium glutamate symptom complex: assessment in a double-blind, placebo-controlled, randomized study. J Allergy Clin Immunol. 1997 Jun;99(6 Pt 1):757-62.

 

MSGを極力摂取しないがカギ?どうやって見分ける?

擁護派も反対派もイマイチ決定打に欠けるMSGの健康被害問題。その問題の1つとしてMSGの摂取量にあるようですが、WHOとFAOが設立した添加物の安全性評価を行う委員会「JECFA」や、アメリカのFDAでは、特に許容一日摂取量を定めておらず、また、日本の厚生労働省でも食品添加物としての使用基準を設定していません。

しかし、食品の成分表示をしっかり見るgeefeeユーザーの皆さんならよくご存じと思いますが、成分表に「調味料(アミノ酸)」と表記されているのはこのMSGのことで、日本で売られている加工食品のほとんどに使用されていると言っても過言でないほどに氾濫しているのが現状。しかも、成分表示を見てもどれだけの量のMSGが含まれているかはよくわかりません。加工食品や外食に頼る人の多くが思った以上の量のMSGを摂っている可能性が充分に考えられるのです。このような環境の中で、個人個人ができることは極力MSGが含まれていると思われている食事を減らす努力をすることではないでしょうか。となると、やはり加工食品と安易な外食は極力減らすことや、「調味料(アミノ酸)」の表示のある材料(だしの素など)を使用しないなど、日ごろから問題意識をもって生活することが大切です。

 

 

誰でも簡単に料理にうま味を演出できる化学調味料のMSGも、摂取量や体質次第では、健康リスクの可能性があります。このMSGを世界で最初に商品化した企業が日本企業ということもあり、我が国は残念ながらMSGが特に多く氾濫している国です。加工食品や外食を利用するのは便利ですが、結果的にかなりの量のMSGを摂取してしまうリスクが伴います。欧米ではこのリスクに対する意識が高い人が多く、中華料理屋でも「MSG不使用店」とアピールするお店もよく見かけます。日本ではMSGがたくさん使われているにも関わらず、そのリスクについての意識がとても低い状態と言えます。消費者として、食品供給側に対して安直な化学調味料の使用を控えるようしっかりとアピールしていくことで、この現状が少しづつ変わっていくといいですね。家庭でお料理する場合でも、安易にうま味を演出できる調味料にはこうした落とし穴があることをしっかり認識しましょう。
 

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