緑茶の健康機能を探る!
緑茶のスーパーパワーとは?
緑茶のもつスーパーパワーには研究者たちも注目しており、その健康を維持する成分についてさまざまな研究が行われています。
緑茶は以下のような機能があるとされています。
コレステロールが気になる方に:緑茶の消費量が多いと、血中の総コレステロールとLDL(悪玉)コレステロールの値を下げ、HDL(善玉)コレステロールの値を上げることが示されており、心臓の血管疾患の予防に作用する可能性があります[#]Imai, K. & Nakachi, K., 1995. Cross sectional study of effects of drinking green tea on cardiovascular and liver diseases. BMJ , 310(6981), pp.693–696. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7711535. 。
骨の生成にも分子レベルで貢献:緑茶に含まれる茶カテキンは、骨の代謝にも影響を与えるという報告があります[#]Chu, C. et al., 2017. Green Tea Extracts Epigallocatechin-3-gallate for Different Treatments. BioMed research international, 2017, p.5615647. Available at: http://dx.doi.org/10.1155/2017/5615647. [#]Fujita, K. et al., 2017. (−)-Epigallocatechin gallate but not chlorogenic acid upregulates osteoprotegerin synthesis through regulation of bone morphogenetic protein-4 in osteoblasts. Experimental and therapeutic medicine, 14(1), pp.417–423. Available at: http://dx.doi.org/10.3892/etm.2017.4491. 。
スギ花粉の症状を和らげる:「べにふうき」という種類の緑茶には、スギ花粉の症状を和らげることが報告されています[#]Maeda-Yamamoto, M., Ema, K. & Shibuichi, I., 2007. In vitro and in vivo anti-allergic effects of “benifuuki” green tea containing O-methylated catechin and ginger extract enhancement. Cytotechnology, 55(2-3), pp.135–142. Available at: http://dx.doi.org/10.1007/s10616-007-9112-1. 。
緑茶はポリフェノール・カテキン・テアニンの宝庫
では緑茶に特徴的な成分にはどのようなものがあるのでしょうか。
カテキン:
緑茶はポリフェノールを多く含んでいます。中でも最も豊富に含まれるのが、茶カテキンと呼ばれる物質です。
茶カテキンは8種類、非常に高い抗酸化作用があります。
茶カテキンにもいくつかの種類が知られていますが、その中でもエピガロカテキンガレート(EGCG)という茶カテキンは、茶カテキンの50~60%を占め、その分子構造から抗酸化力が最も強いことが知られています[#]宮澤陽夫 仲川清隆 浅井明, 天然抗酸化物質の吸収と代謝. 化学と生物, 38, pp.104–114. 。
茶の総ポリフェノール含有量、総カテキン含有量、エピガロカテキンガレート含有量[#]Zhao, C. et al., 2014. The galloyl catechins contributing to main antioxidant capacity of tea made from Camellia sinensis in China. TheScientificWorldJournal, 2014, p.863984. Available at: http://dx.doi.org/10.1155/2014/863984.
|
緑茶 |
ウーロン茶 |
紅茶 |
総ポリフェノール含有量
(没食子酸相当量,%, 乾燥茶葉) |
23.04 |
17.02 |
12.30
|
総カテキン含有量
(%、乾燥茶葉) |
18.21 |
12.48 |
7.36 |
エピガロカテキンガレート(EGCG)含有量
(%, 乾燥茶葉) |
10.90 |
7.47 |
0.66 |
その中でもエピガロカテキンガレート(EGCG)は、ビタミンCやビタミンDの25倍から100倍の強い抗酸化力を持ち[#]Ahmed, S., 2010. Green tea polyphenol epigallocatechin 3-gallate in arthritis: progress and promise. Arthritis research & therapy, 12(2), p.208. Available at: http://dx.doi.org/10.1186/ar2982. 、科学者たちも注目しています。
テアニン:
お茶に含まれるテアニンには、リラックス効果があります。テアニンを摂取することで、α波の量が増え、心身のストレスを軽減する効果があります[#]Kimura, K. et al., 2007. L-Theanine reduces psychological and physiological stress responses. Biological psychology, 74(1), pp.39–45. Available at: http://dx.doi.org/10.1016/j.biopsycho.2006.06.006. [#]Kobayashi, K. et al., 1998. Effects of L-Theanine on the Release of .ALPHA.-Brain Waves in Human Volunteers. Journal of the agricultural chemical society of Japan, 72(2), pp.153–157. Available at: http://dx.doi.org/10.1271/nogeikagaku1924.72.153. 。
テアニンにはラットにおいて、脳虚血による記憶障害を防いだという研究結果もあります[#]Egashira, N. et al., 2008. Theanine prevents memory impairment induced by repeated cerebral ischemia in rats. Phytotherapy research: PTR, 22(1), pp.65–68. Available at: http://dx.doi.org/10.1002/ptr.2261. 。
テアニンはお茶に特有のアミノ酸で、お茶のうまみ成分です。近頃ではお料理に少しうまみを足したい時に、テアニンが使われることもあります。
さらに、テアニンには月経前症候群(PMS)の症状を和らげてくれるという研究結果も出ています[#]上田智子、小関誠、大久保勉、朱政治、レカ・ラジュ・ジュネジャ、横越英彦、松本清一, PMSと健康食品 一テアニンの月経前症候群改善効果に関する研究一. 女性心身医学, 6(2), pp.234–239. Available at: www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/6/2/6_KJ00003256431/_pdf. 。
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