バターとマーガリンは何が違うのか?
バターは牛乳から脂肪とタンパク質を取り出し、それらを固めたもの。バターをはじめとする動物性の油脂は、常温で固形のものが多いです。それに対し、サラダ油やオリーブ油などの植物性の油脂は、常温で液状のものが多いですよね。マーガリンはご存知の通り固形の油脂ですが、実はその原料は植物性の油脂です。製造過程で液状の植物性油脂の分子構造を、人工的に変化させることで固形化した油脂が、マーガリンです。同じ原理で、ショートニングやファットスプレッドと呼ばれる油脂も作られています。
マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸には要注意
「トランス脂肪酸」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか?人工的に固形にしたマーガリンやショートニングには、トランス脂肪酸と呼ばれる物質が含まれており、トランス脂肪酸を過剰に摂取すると心臓疾患のリスクが上がることが指摘されています[#]Willett, W.C. et al., 1993. Intake of trans fatty acids and risk of coronary heart disease among women. The Lancet, 341(8845), pp.581–585.[#]Mozaffarian, D. et al., 2006. Trans fatty acids and cardiovascular disease. The New England journal of medicine, 354(15), pp.1601–1613. 。
アメリカでは2015年に、食品から天然由来以外のトランス脂肪酸を除去することを決定しました。また、2018年6月までには製造者は食品にトランス脂肪酸を含まない事を保証しなければいけません[#]Food and Drug Administration, HHS, 2003. Food labeling: trans fatty acids in nutrition labeling, nutrient content claims, and health claims. Final rule. Federal register, 68(133), pp.41433–41506. 。
日本人はアメリカ人に比べると、トランス脂肪酸の摂取量がかなり低いとされています[#]厚生労働省, 2014. 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書 。そのこともあり、国内でトランス脂肪酸に対する規制はありませんが、食品企業ではトランス脂肪酸を自主規制したり、商品のトランス脂肪酸量を公表するなど、取り組みが増えてきています。
トランス脂肪酸は摂らないように気を付けましょう。原材料にマーガリンやショートニングが含まれる食材には要注意。
グラスフェッドギー
ギーとはバターをゆっくり煮ることで水分と乳たんぱく質を取り除いたピュアな脂肪です。インドや東南アジアで日常的に使われる食材で、アーユルヴェーダでは薬として昔から使われています。
ギーを作る際には、アレルゲンとなるカゼインやラクト―スなどの乳糖の大部分が取り除かれます。バターの脂肪に含まれる、多様な脂肪酸を摂るにはおすすめの食材です。
(※カゼインの大部分は取り除かれていますが、乳アレルギーをお持ちの方がギーを召し上がる際は、必ず医師に相談してからにしましょう。 ポイント ! 同じグラスフェッドギーでも"cultured"、つまり発酵乳を使用して作られたギー製品はよりアレルゲンである乳たんぱくが少ないと言われています。あと、牛乳製品にはアレルギーでも山羊乳にはアレルギーのない人も多いと言われています。グラスフェッド山羊乳でできたギーも海外から取り寄せ可能です。山羊のチーズの風味が好きな人にはたまらないと思いますよ! )
グラスフェッドバターもグラスフェッドギーもそのままパンに塗っても、お料理に使っても最適です。バターは高い温度で調理すると煙が出てきてしまいますが、純粋な油脂であるギーはバターよりも煙が出始める温度が高いです。そのため料理の際の使い勝手がよく、また酸化にも強いです。
ギーは香ばしい風味があり、バター自体よりもバター風味が豊かで、香辛料を引き立てます。それがインド料理、タイ料理の定番である理由です。また、ギーはバターより貯蔵寿命が長く、常温保存できます。
コーヒーに加えてミキサーにかけると、グラスフェッドバターは乳たんぱく質が入っているためよりクリーミーになり、ラテのように上に浮かぶ柔らかな泡を楽しんでいただけます。一方グラスフェッドギーはバターほどは泡立ちませんが、風味はとても良いです。
グラスフェッドバターやギーはどうやって買うの?
日本でグラスフェッドバターはまだまだ簡単には手に入りません。一本2千円以上のフランス産の高級グラスフェッドバターはありますが、普段使いとしてはなかなか難しいのが現実。そこでお勧めは海外通販で買うグラスフェッドギーです。geefeeがお勧めしているのはこれ。グラスフェッドだし、有機だし、日本の実勢価格の約半分だし、cultured(発酵させている)のでアレルゲンの乳たんぱく質が通常のギーよりも少ないです。味もナイス(iHerbなので$40以上、つまり二つ以上、買えば送料は無料)。
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