感染症の原因となる細菌を抑制、撃退するために使用される薬の抗生物質。細菌感染が疑われる場合の治療には適切な抗生物質の使用が必要となりますが、風邪などのウイルス性の症状には機能しないにも関わらず、抗生物質を処方する医者や、以前処方された抗生物質を勝手に使用する人もいたりします。一方、抗生物質の乱用は、その他健康リスクが伴うとも言われています。今回は、この抗生物質についてフォーカスしていきます。
とりあえず、処方される抗生物質。
冒頭で述べたように、抗生物質は細菌には機能しますが、ウイルスには機能しません。しかし、喉や
鼻などの症状が細菌感染によるものか、ウイルス感染によるものかが曖昧のまま、とりあえず風邪薬と抗生物質を処方するといったケースも多くあると言われています。OECD(経済協力開発機構)ではこの抗生物質の処方の50%が不適切である可能性があると指摘しています[1]。ウイルス感染による症状であるにも関わらず処方された抗生物質を飲むことで、抗生物質が健康に必要な細菌叢を壊滅したり、その他の健康リスクも懸念されています[2]。