料理をよりおいしくするための味づけとして使用されるさまざまな種類の調味料。含まれている成分も確認せずに何かと様々な調味料を振りかけて味付けしていませんか?今回は、欧米で健康への悪影響が危惧されている化学調味料の代表格である「MSG(グルタミン酸ナトリウム)」についてお伝えします。
うまみ成分のMSG(グルタミン酸ナトリウム)とは?
MSGはグルタミン酸ナトリウムの略で、自然界で最も豊富なアミノ酸の1つであるグルタミン酸と関連しています。そもそもグルタミン酸は非必須アミノ酸であるため体内で合成できるうえに、昆布、トマト、マッシュルームや味噌、醤油など多くの食品に含んでいます。このグルタミン酸は水に溶けにくいので調味料としては使いづらいのですが、ナトリウムと結合させることで調味料として使いやすくしたものがMSGです。
このMSGが、特に和食や中華料理などのアジアの料理で多く使用される傾向があり、塩味、酸味、苦味、甘味に続く第5の味覚とも呼ばれている旨味成分を手っ取り早く得る手法として使われているのです。
MSGは多方面で賛否両論
MSGの健康に対する懸念の論争は、新生児のマウスに大量のMSGを注入したところ、脳の視床下部に損傷が発生したという、1969年の研究結果に起因します。また、この研究の少し前には、中華料理を食べたあとに、皮膚の紅潮、発汗、頭痛などの症状が伴うことが多く報告されたことから、中華レストラン症候群と呼ばれ、前者の研究の発表と共にMSGが危険だという認識が始まったという背景があり、今でも科学者や研究者の間で論争となっているだけでなく、消費者の間でも重大な関心事となっています。